
経済安全保障法務:中国の改正国家秘密保護法の概要
2024年2月27日, 中国では国家秘密保護法(原文:中华人民共和国保守国家秘密法)の改正が成立し, 本年5月1日より施行されることとなった。日本企業やその中国国内の関連会社は, 直接, 中国の国家秘密を取扱うことは少ないであろうが, 例えば, 自社の取引先が中国の中央政府または地方政府の機関の場合や, 自社の業務または取引が中国の国家安全・国家利益に関係する場合には, 国家秘密に接する可能性もあると思われ, その場合には同法が関係する。また, 近年日本人の拘束事件も発生している中国の反スパイ法では, 「国家機密, 情報その他の国家の安全又は利益に関わる文書・データ・資料・物品を窃取し・探り・購入し・違法に提供(する)」行為も反スパイ行為とされている(4条1項3号)が, その「国家秘密」の定義・内容等は本法で定められている。従って, 本法の内容は, 日本企業やその中国国内の関連会社の関心事であろうと思われるので, 以下において, 本法の内容を関係条文を挙げて紹介および解説する。