モチは綺麗に焼けたほうが美味しく見えるーサトウ食品 切り餅特許訴訟 最高裁へ上告
2012/04/06 知財・ライセンス, 特許法, メーカー

事案の概要
切り餅を形崩れしないよう焼くために切り込みを入れる特許権を侵害されたとして、越後製菓株式会社が佐藤食品工業株式会社(サトウ食品)に5製品の製造・販売中止と五十九億四千万円の損害賠償を求め、知財高裁は、5製品の製造・販売の中止と約8億円の支払いを命じた。サトウ食品は知財高裁の判決を不服として、2日、最高裁判所へ上告及び上告受理申立を行った。
サトウ食品は、会計監査人と協議し、知財高裁の判決が確定した場合に備え、3日、損失発生見込額を引き当て、約8億円を訴訟損失引当金に繰り入れた。
越後製菓の切り餅は側面のみに切り込みが入っている。対して、サトウ食品の切り餅には側面と上下の面に切り込みがある。知財高裁は中間判決で「上下面の切り込みの有無に関わらず、側面に切り込みがあれば特許権を侵害する」と判断していた。越後製菓は、知財高裁の判決時に、和解で解決できなかったことは残念、とコメントしている。
コメント
切り餅の切り込みによって、上手く餅が焼ける。そのことがいかに重要かが損害賠償額を見ると分かる。モチは綺麗に焼けたほうが美味しく見える。ならば、綺麗に焼けるための切り込みは企業にとって小さくない利益を生むのは当然だろう。サトウ食品が最高裁まで争うのも理解できるが、越後製菓のコメントから越後製菓は和解を目指していたと考えられる。越後製菓は望まぬ訴訟の長期化に応対しなければならなず、煩わしさを感じているかもしれない。しかし、モチの切り込みは小さくない利益を生むため、紛争の早期解決のため安易に和解を目指すことは、知財高裁で越後製菓の主張が認められた今、越後製菓にとって不必要な妥協を生みかねない。これからも和解を目指すか否か越後製菓の判断が気になるところだ。
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