救急車運転業務で偽装請負 大阪医療センター
2012/03/21 労務法務, 労働法全般, 労働者派遣法, その他

概要
国立病院機構大阪医療センター(大阪市中央区)が救急車の運転業務を巡り、請負契約を結んでいた会社の運転手に直接指示を出して働かせていたことがわかった。大阪労働局は「偽装請負」に当たり労働者派遣法に違反するとして、改善を求めている。
センターによると、救急車の運転は日本道路興運(東京都新宿区)と請負契約を結び、同社の社員(45)が担当していた。センターが運転手にPHSを貸与して、病院職員が直接、運転手に指示していた。
解説
請負は、仕事の完成が目的である。その成果について報酬の支払い義務が生じるものであり、請負契約は、請負元が自社の社員に対して、請負事業の指揮命令をする。請負契約をしていても、実際には注文主が労働者に作業の指示を出すようなことがあれば「派遣」扱いになる。これを「偽装請負」という。形式は請負なのに,実態が請負ではないからだ。派遣か請負か。この判定は、実態に基づいて判断される。契約書に「請負契約書」と書かれていても派遣と判断されることもある。
一般に派遣は請負よりもコストが高く、仕事の繁閑で人数を調整しづらいが、派遣先が直接指揮監督できる。請負は、仕事の完成が目的であるから、仕事ごとに契約できるため人数を調整しやすいが、注文主は直接指揮監督できない。人を使う者が、安く、しかも直接指示したいと考える。そこで、形は請負のまま直接指揮監督するという偽装請負が生まれる。
請負で労働者がケガをしたら、指揮監督している請負元の責任となる。一方で偽装請負では、請負元だけでなく注文主にも責任がある。派遣による雇用責任があるからである。
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