フォルクスワーゲン事件は他人事ではない!
2015/09/25 法務相談一般, 民法・商法, メーカー

フォルクスワーゲン事件の概要
世界的自動車メーカーであるフォルクスワーゲン(以下「VW」という)が製造するディーゼル車において、排出するNOxの量が米国排ガス規制の約40倍にあたることが発覚した。VWは、規制テストの時のみ規制内の排出量となるような不正ソフトを自動車に組み込んで、米国の排ガス規制を免れていた。不正ソフトを組み込んだディーゼル車は世界各国に輸出されており、約1100万台にもおよぶ。
排出ガス規制値の比較
自動車の排出ガス規制値は各国で異なる。今回問題となった小型ディーゼル車の排出ガス規制値を比較すると以下の表になる。CO、NOxについては、米国の規制が厳しい。NMHCについては、日本が厳しい基準をとっている。総合的に見ると、小型ディーゼル車の排出ガス規制における日本の規制は世界の中でも厳しい規準となっている。
(小型ディーゼル乗用車の場合、g/km)
新車排ガス規制 CO NMHC NOx PM
2009年規制(日本)
2009年 0.63 0.024 0.08 0.005
ユーロ5(欧州)
2008年 0.50 0.068 0.18 0.005
Tier 2 Bin 5(米国)
2007年 0.003 制限なし 0.044 0.006
コメント
VWによる不正事件は、世界に衝撃を与えた。近年、環境への影響を考え、世界各国において厳しい排ガス規制が制定されている。排ガス規制は各国によって基準が異なるため、輸出先の基準に反していないかをしっかりと確認しなければならない。今回のVWは意図的に不正ソフトを組み込んでいるが、意図せず規制に反してしまう場合もある。日本の排ガス規制は世界的にみて厳しい基準となっているため、他国の規制に反する場合となることは少ないかもしれない。しかし、日本よりも厳しい基準となっている項目もあるため、注意が必要である。そして、このような各国による基準の差異は、RoHS指令(電気電子機器に関する特定有害物質の使用制限に関する指令)等、自動車に限らず様々な商材で生じているため、他業種企業も他人事ではない。今一度、各国の基準を確認することをおすすめする。
関連コンテンツ
新着情報
- 弁護士
- 片山 優弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階

- 解説動画
浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間

- 業務効率化
- 鈴与の契約書管理 公式資料ダウンロード
- 弁護士
- 横田 真穂弁護士
- 弁護士法人 咲くやこの花法律事務所
- 〒550-0011
大阪府大阪市西区阿波座1丁目6−1 JMFビル西本町01 9階

- ニュース
- ツルハHDで賛成率7割で承認、株式交換への対抗策2025.5.29
- 現在イオンとの統合を進めるツルハHDのウェルシアHDとの株式交換が株主総会で可決承認されていた...

- 解説動画
岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分

- 業務効率化
- 法務の業務効率化

- セミナー
板谷 隆平(MNTSQ株式会社 代表取締役/ 長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
- 【オンライン】新サービス「MNTSQ AI契約アシスタント」紹介セミナー
- 終了
- 2025/04/22
- 14:00~14:30

- まとめ
- 中国「データ越境移転促進・規範化規定」解説2024.4.23
- 中国の現行法令上, 香港・マカオ・台湾を除く中国本土内(「境内」)から境外への個人情報等の移転...