「ブラック企業」対策班、初の書類送検
2015/07/03 労務法務, 労働法全般, その他

事案の概要
エービーシー・マートは昨年、都内の池袋店と原宿店で従業員4人に対し、労使協定で定めた残業時間を大幅に超える、月100時間前後の残業をさせた疑いがもたれている。同社は過去にも複数の店舗で長時間労働で同労働局から指導を受けており、改善がみられないため、書類送検する必要があると判断された。
同社によると、昨年8月に東京労働局から指導を受けた後、残業時間の削減や管理体制の強化などに取り組み、現在は長時間残業は解消し、再発防止に向けた労務管理システムの構築などの措置を講じたという。
通称・かとく(過重労働撲滅特別対策班)
厚生労働省は今年4月、違法な長時間労働や過重労働を強いるいわゆる「ブラック企業」を取り締まるための特別チーム「過重労働撲滅特別対策班」(通称かとく)を東京労働局と大阪労働局に設置した。長時間労働により病気や自殺に追い込まれる人が後をたたず、労災と認定される人が毎年200人前後に上っている状況を受け、長時間労働の削減対策を強化することが目的だ。
「かとく」に配置されているのは、労働の専門家である労働基準監督官13人で、市場への影響が大きい大手企業の本社を対象に、労働時間問題を集中的に調査し、指導・監督してきた。今年5月には従業員の違法な長時間労働で年3回是正勧告を受けた大企業の社名を公表する方針を打ち出している。さらに、今回のような悪質なケースに対しては今後も刑事事件として書類送検をすすめていくものとみられる。「かとく」による書類送検は今回が初めてである。
コメント
いわゆる「ブラック企業」が社会問題化されて久しいが、ようやくその対策が実施され始めた。本件のように社名が公表されてしまえば、社会的信用を失うことは必至であり、株価や業績に対する影響も少なくない。企業法務担当者においては、これを教訓にして、自社の労働環境を再度見直し、コンプライアンス整備・強化を進めていく必要がありそうだ。
関連コンテンツ
新着情報

- 業務効率化
- Legaledge公式資料ダウンロード
- 弁護士
- 福丸 智温弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- 解説動画
岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分
- セミナー
松永 倫明 セールスマネージャー(株式会社Cyberzeal、Viettel Cyber Security所属)
阿久津 透 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所/東京弁護士会所属)
- 【オンライン】経営と法務が備えるべきサイバーリスク~サイバー攻撃被害の現実と予防策〜
- 終了
- 2025/05/29
- 17:30~18:30

- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード

- ニュース
- 東京地裁がキャバクラで労働契約認定、労働者性と賃金原則2025.6.30
- NEW
- キャバクラに勤務していた女性が、運営会社に対して未払い賃金の支払いを求めた訴訟で、東京地裁は6...
- 弁護士
- 平田 堅大弁護士
- 弁護士法人かなめ 福岡事務所
- 〒812-0027
福岡県福岡市博多区下川端町10−5 博多麹屋番ビル 401号

- まとめ
- 中国:AI生成画像の著作権侵害を認めた初の判決~その概要と文化庁「考え方」との比較~2024.4.3
- 「生成AIにより他人著作物の類似物が生成された場合に著作権侵害が認められるか」。この問題に関し...

- 解説動画
加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 終了
- 視聴時間1時間