街の書店を守れ!仏議会で「反アマゾン法」可決
2014/06/27 海外法務, 海外進出, 外国法, その他
事案の概要
書店に行かずともネット上でクリックするだけで、欲しい本が送料無料で家に届く。インターネット書店の利便性はもはや語るまでもない。しかし、送料が有料となったらどうなるか。人々の足は再び書店に戻るのか。
フランスでいわゆる「反アマゾン法」と呼ばれる法律案が元老院(上院)で可決した。すでに優先権がある国民議会(下院)で全会一致で可決されており、今後2週間以内に、フランス大統領が署名して成立する見通しだ。
「反アマゾン法」とは、全てのインターネット書店に対して、送料無料で書籍を提供することを禁じるというものだ。アマゾンのみを対象としているわけではないが、アメリカの会社がフランスでシェアを伸ばすのを封じたいとの意図がある。
フランスにはラング法という書籍の値引きを5%以内と定める法律がある。アマゾンなどのネット書店は、これまで顧客に定価から5%を値引きした価格で、かつ送料無料で提供するサービスを行うことで、フランスでも驚異的にシェアを増やしてきた。そのせいで、フランスでは街の書店の経営が、厳しくなり、顧客の奪い合いにより、閉店が続出している。そこで、街の書店を保護するために、この法律がつくられたという経緯だ。
オレリー・フィリペティ文化・通信相は、本案の可決について「わが国の書籍に対する深い愛着」を表す決定だと述べている。
コメント
専門書など、本も決して安いものではなく、消費者としては安いに越したことはない。「街の書店」を大事にする文化があるフランス国内においても、書店に補助金を出すなど、他にも書店を保護する方法はあったのではという意見も強い。自国の文化を大事にしながら、消費者側のニーズにも応えるのは難しいが、どちらも無視することのできない重要な事柄である以上、両者のバランスをとりながら規制をしていくしかないだろう。
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