パートタイム労働法一部改正へ
2014/02/21 労務法務, 労働法全般, その他

厚生労働省は、2月14日、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)の一部を改正する法律案を第186回国会(常会)に提出した。
この改正案は、パートタイム労働者の雇用管理の改善等の促進を図るため、通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者に対する差別的取扱い禁止の対象者を拡大する等の措置を講ずるのが主眼となっている。
本稿では、本改正案の概要を確認したい。
パートタイム労働法改正案の概要
1.差別的取扱い禁止の範囲の拡大
現行法では、差別的取扱いが禁止される「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」につき、①職務の内容が通常の労働者と同一、②人材活用の仕組みが通常の労働者と同一、③無期労働契約を締結しているの3要件が設けられていたところ、③無期労働契約を締結しているとの規定が削除された。
①②に該当すれば、差別的取扱いが禁止されることになり、その範囲が拡大することとなる。
また、パートタイム労働者の待遇について、通常の労働者の待遇との相違は、業務の内容や責任の程度など職務の内容、配置の変更の範囲など人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないとの規定が新設される。
2.パートタイム労働者への説明義務の範囲の拡大
パートタイム労働者を雇用したときは、賃金や教育訓練、正社員への転換等法定されているパートタイム労働者の雇用管理の改善等に関する措置の内容について、事業主が説明する義務が導入され、説明義務が雇い入れ時にまで拡大された。
また、事業主に雇用管理の改善等に関する事項に関して、パートタイム労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備する義務も新設された。
3.公表措置の追加
雇用管理の改善等に関する措置の規定に違反している事業主に対して、厚生労働大臣が是正の勧告した場合において、事業主が勧告に従わなかったときは、事業主名を公表することができる規定が新設された。
また、雇用管理の改善等に関する措置に関して、厚生労働大臣の求めた報告をしなかったり、虚偽の報告をした事業主に20万円以下の過料を課す規定が新設された。
コメント
今回の改正案は、有期労働契約の無期労働契約への転換や不合理な労働条件の禁止を内容とする平成24年の労働契約法の改正などと歩調を合わせたものであり、
報道によると、この改正により、正社員など通常の労働者の待遇を受けられるパートタイム労働者が現在の約17万人から10万人程度増えるようだ。
詳しくは、下記厚生労働省該当ページを参考にされたい。
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