クレーン大手、子会社元副社長が7億円横領
2012/06/11 コンプライアンス, 民法・商法, メーカー
事案の概要
9日、クレーン大手のタダノは、その米国子会社の元副社長が、2010年から約7億円を横領していた疑いがあると発表した。タダノは、元副社長を5月21日付で解任し、現地の捜査当局に告発した。
米国籍の元副社長は、米国の弁護士資格を有しており、法務を担当していた。当人は、実在しない訴訟の手数料などの法務費用を水増しし、架空の法律事務所に支払うなどして利益を得ていた疑いがあるという。
タダノは、発覚が遅れた理由として、米国の弁護士費用は高いという思い込みがあったことを挙げている。
コメント
本件は、企業コンプライアンスの重要性を考えさせられる事件である。また、会社がこうした違法行為をより迅速に突き止めるためには、法解釈や適用だけではなく、国内外の法務のあり方に広い見識を持つ必要であることを考えさせられる事件である。
日本は、司法制度改革に伴い、法解釈や適用に対する知識に長けた人材が増加しつつある。企業は、これらの能力がベースにある人材を、優れた企業コンプライアンス業務のできる人材、ひいては国外の法務にも目を向けられる人材に育成していくという道もあるのではないか。
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