店員の安全配慮には、事前の準備を!
2011/11/10 労務法務, 労働法全般, 流通
概要
10日午前10時ごろ、神奈川県小田原市栄町のドン・キホーテ小田原店で、万引を注意された男が逃げようとした際催涙スプレーをまいた。近くにいた店員4人が目の痛みなどを訴えており、病院に搬送された。
小田原署は、店員に取り押さえられた男を、強盗致傷の疑いで現行犯逮捕した。
雑感
労働者が業務中に怪我をした場合、事業者は労働基準法により、労働者に対して、療養費用や休業中の賃金等に関する補償責任を負うことになる。この労災が認定されるまでには時間がかかるうえ、認定されたとしても民事法上の賠償責任は免れない。事業者は、労働者との間に特別な関係に入るため、労災保険とは別に民事法上労働者の安全に配慮する義務を負うからだ。
店員が万引きを発見した場合、警察に届け出るなどの対処をするものと思われる。対処の仕方は企業ごと異なるだろうが、仮に凶器を持った容疑者であっても取り押さえるべきと普段から教育している場合、店員の生命・身体の安全に全く配慮していないことになる。企業法務の観点からも、対外的訴訟リスクだけでなく、労働者からの訴訟が提起されないよう店員など従業員の安全を配慮する必要がありそうだ。
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