ロピア、菓子などの原料・原産地不表示で農水省から指示(食品表示法)
2024/06/21 コンプライアンス, 行政対応, 小売

はじめに
関東や関西を中心にスーパーマーケットを展開する株式会社ロピアが、原料や原産地名を表示せずに商品を販売したとして、農林水産省から食品表示法に基づいた表示の是正や原因究明の徹底などを指示されていたことがわかりました。
18商品で最長3年以上にわたり不適正表示か
農林水産省の発表などによりますと、ロピアは、小分け加工した菓子類などに対し、原料原産地名を表示しないなどの不適正な表示をしていたということです。
農林水産省関東農政局は、2023年7月26日から2024年6月7日までの期間、ロピアとロピア中央林間店に対し、食品表示法に基づく立入検査などを実施。
検査の結果、小分け加工した菓子類および調理食品18商品において、原料などの表示がされていない商品が確認されたということです。
【確認された不適正表示の例】
①「スコーン(チョコ・くるみ)」では、原材料の小麦粉の原料原産地名「国内製造」を不表示など
②「あげもち」では、使用した「還元水あめ」等を不表示など
これらの商品は最長で約3年3か月、74店舗において合計約64万5000パックが販売されていたといいます。
こうした不適正表示があったことを受け、農林水産省は2024年6月11日、食品表示法に基づき、ロピアに対し、表示の是正、原因の究明・分析の徹底および再発防止対策の実施等について指示を行いました。
ロピアは、メディアからの取材に対し、表示がなかった原因として「法令に対する認識不足と社内管理体制の不足」と説明しています。また、今後、商品製造や販販売過程での管理体制を強化するなど、再発防止策を実施するとしています。
食品表示法について
食品表示法は、食品の製造者・加工者・輸入者・販売者に対し、消費者等に販売される全食品について食品表示を義務付けており、食品の部類それぞれで表示事項が定められています。
・農産物、畜産物、水産物は「名称」「原産地」など
|
今回、ロピアの不適正な表示については「表示事項を表示せず又は遵守事項を遵守しなかった場合」に該当し、「指示」が出されたものとみられます。
仮に、ロピアがこの「指示」に従わない場合には、農水省から「命令」が発令されます。またさらに、その命令にも従わなかった場合には、「命令違反」と判断され、罰則が科されることになります。
○罰則
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金 (法第20条)
【法人】1億円以下の罰金(法第22条)
また、立入検査の結果、「食品を摂取する際の安全性に重要な影響を及ぼす事項について、食品表示基準に従った表示をしない場合」と認められた場合には、回収命令などが発令されることがあります。この場合、罰則はさらに重くなります。
○罰則
3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又は併科(法第17条)
【法人】3億円以下の罰金(法第22条)
コメント
消費者は、原材料や添加物等に関する食品表示を見ることで、栄養成分やアレルギー成分の確認ができ、自らに適した食品を選ぶことができます。しかし、近年、食品表示の欠落や誤りによる事故は後を絶ちません。
事故が発生した場合、消費者の生命・身体に危険が及ぶのはもちろんのこと、事業者としても、消費者からの損害賠償請求や商品回収などのリスクを負うことになります。適切な表示が常になされるよう、緻密に体制を築く必要があります。
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