中国における適正な企業経営に向けて
2014/08/11 海外法務, 海外進出, 外国法, その他

事案の概要
弁護士法人キャストグループが中国現地法人のための社内不正通報システムサービスを開始した。このシステムにより中国で発生している問題につき事前に対応することはできるようになるか。
「社内不正通報システム」とは匿名でも実名でも、外部窓口にメールで通報するシステムで、時間・場所を問わず通報・対応ができる。中国の不正事情に通じた日中の弁護士・会計士・税理士等の専門家が対応するため、起こりうる問題点を適切に把握し対策の立案ができ、研修等の「事前対策」、法務・財務のデューディリジェンス、訴訟を含む「事後対策」など、各ステージにおける最適な対処策を提案する。
不正を把握できる場合はほとんどが「内部通報」によるものであるため「内部通報」を有効的に活用し、「通報のしやすさ」と「通報内容の分析と的確な判断」を実現したのが新サービスの特徴という。
コメント
マクドナルドでチキンナゲット等鶏肉を使用した商品につき、仕入先の会社が品質保持期限を過ぎていたり、衛生状況が悪いといった鶏肉を出荷した事件は記憶に新しい。これによりマクドナルドは客離れが深刻化し、7月売上高(既存店)は前年同月比17・4%減と、大幅に落ち込むという甚大な被害をこうむった。
今回の事件はマクドナルドが監視の目を怠ったために生じたものである。このような被害の甚大化を防ぎ、適切な企業経営を行うためには「社内不正通報システム」は企業にとって中国現地法人のコンプライアンス保持の観点から重要なツールとなりうる。企業は当該サービスを利用しつつ、自社の法務部の強化に努め、事前に問題に対し対応できるようにすることが、これからの日本向けの中国のビジネスを売り出す場合において国民の信頼を取り戻すためには重要である。
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