日本の海洋資源権益の確保への考察
2012/05/02 海外法務, 外国法, その他
事案の概要
日本時間で4月27日にニューヨークの大陸棚限界委員会が、日本政府の申請していた4海域の大陸棚延伸を認めた。日本が排他的経済水域を設定できる「島」と主張する日本最南端の沖ノ鳥島を基点とした海域も含まれる。
だが中国や韓国は沖ノ鳥島を水域を設定できない「岩」だと主張している。漁業資源のみならずレアアースなどの工業資源も含めた権益をめぐり、中国が抗議をするなどの意見の衝突が生じている。
現段階では、日本の今後の製造業の発展にレアアースは不可欠だが、最大の輸入国である中国が輸出規制をかけるなど確保に厳しい状況となっている。大陸棚が延伸され排他的経済水域が広がれば、製造業発展の際のリスクが減少する。
だが輸出規制をかけることからも推測できるが、中国も資源確保に対して積極的だ。今後の発展には国内の工業資源だけでは不足すると考えているからである。また海洋への影響力を拡大していく意図も持っていると思われるので、これからも資源等の権益確保で日中の思惑が両立しにくい状況は続くだろう。
コメント
稀少な資源をめぐる意見の対立は今後も続く可能性が高い。その際経済面で成長が著しい中国の発言力が大きくなることは必死だ。
対応策としては日本の主張の正当性を検討し、法律的な正しさを訴えることに加え、東南アジアなどとの協力も有効だろう。中国の急激な影響力の拡大に懸念を抱く国は多い。個別では意見を主張しにくくとも、数カ国で協調して主張をすれば影響力も大きなものとなり、中国に対抗できるようになるだろう。
今後、さらに東南アジアの国々とも交流を重ね親交を築くことも、日本の道の一つではないだろうか。
【関連リンク】
- 沖ノ鳥島海域の大陸棚延伸 日本の申請、国際機関認める - 朝日新聞(リンク切れ)→アーカイブ
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