ネットバンクで預金詐取された場合に、預金は補償されるの?
2011/08/05   金融法務, 民法・商法, 金融・証券・保険

ネットバンクで預金詐取

 複数の地方銀行のインターネットバンキングで6月以降、利用者の預金が勝手に送金される被害が相次いでいる。警視庁が詐欺や不正アクセス禁止法違反容疑で捜査を始めている。

預金詐取についての法律の対応

 以前は民法478条により、銀行に故意過失がなければ、預金の払い戻しまたは送金をした銀行が本人に払い戻しまたは本人の送金と同じ扱いとなりました。つまり、銀行は預金者への預金の返済を免れ、預金者は預金の返済を受けられないという損害をこうむることとなりました。

 しかし、平成15年頃から、スキミング(スキマーと呼ばれる小さな箱状の読み取り機等を用いてキャッシュカードの磁気データを読み取ること )という手口を使って、偽造キャッシュカードを作成し、預金を引出す事件が 多発し、社会問題となり預金者を保護するため、平成18年2月10日に預金者保護法(偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律 )が制定された。この法律により、盗難キャッシュカードの被害は、(1)金融機関への速やかな通知、(2)金融機関への十分な説明、(3)警察署・交番への届出、の要件を満たした場合に被害額の全額が補償されます。速やかな通知とは、キャッシュカードが盗まれた日から30日以内の通知のことです。ただし、盗まれた日が明らかでない場合には、盗難キャッシュカードを用いて行われた預貯金の払い戻しまたは借り入れが最初に行われた日が起算日となります。また、通知することができなかったことについてやむを得ない事情がある場合には、期間は2年まで延期されます。
 ただし、預金者に故意又は重過失がある場合、預金者の配偶者、同居親族などにより預金の払い戻しがなされた場合には補償されません。また、預金者に過失がある場合には補償額が被害額の75%に減額されます。 重過失とは暗証番号をカードに書いていた場合などです。軽過失とは、暗証番号を生年月日にしていて、生年月日がわかる書類と一緒に保管していた場合などです。
 しかし、この法律は盗難通帳による引き出し、インターネットバンキングの不正利用については保護していません。

銀行の対応

そこで、全国銀行協会は、平成20年2月19日 、この2つについても保護する自主取り決めを設けました。盗難通帳による引き出しの過失、重過失の認定は預金者保護法と同じですが、インターネットバンキングの不正利用は、統一的な基準を定めることが困難であるため、預金者の態様や状況を考慮して過失の程度及び補償額を定めるとしています。また、金融機関への通知が被害発生日の30日後以降となった場合には補償が行われないとしています。

預金者の自衛手段

 預金詐取の被害を防止するためには、定期的に預金残高をチェックし、被害をりょしたらばすぐに銀行に通知することで、補償が行われるようにすることも重要です。

 

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