善意の活躍がまさかの逮捕へ・・・ 被災地での暴力団幹部派遣法違反事件
2011/07/12 労務法務, 労働者派遣法, その他

概要
東日本大震災の仮設住宅建設現場に不正に労働者を派遣したとして、岩手県警は12日、労働者派遣法違反の疑いで、奥州市水沢区、住吉会系暴力団幹部、千田常見容疑者(62)を逮捕した。
逮捕容疑は、5月16日から29日までの延べ12日間にわたり、大槌町の仮設住宅建設現場2カ所に、雇用する作業員3人を派遣し、労働者派遣法が禁止している単純労働に従事させたとしている。
法的根拠
労働者派遣法は、以下のように建設作業に対して労働者を派遣することを禁止している。
(労働者派遣法:第四条)
二 :建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務をいう。)
また、禁止の理由は、受注生産、総合生産等その特殊性にかんがみ、建設労働者の雇用の安定を図るため、労働者派遣事業とは別に、建設労働者の雇用の改善等に関する法律において、建設労働者の実情を踏まえた特別な労働力需給調整制度として建設業務労働者就業機会確保事業制度が設けられているためとなっている。
総評
震災直後は暴力団が率先して炊き出しやボランティアを行った等と言われていたが、善意の派遣がまさかの逮捕につながった。
派遣法の禁止の趣旨は、低賃金で酷使される単純労働者の派遣を禁止し、労働者の生活の安定を図ることにあるはずであり、暴力団取締の口実とするためではないはずだが・・・
暴力団の存在を肯定するわけではないが、かなり強引な逮捕手段ではないかと感じてしまった・・・。
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