違法絶版漫画ファイルを浄化 ネット上での新たな試み
2011/04/12 知財・ライセンス, 著作権法, エンターテイメント

「ラブひな」や「魔法先生ネギま!」でも知られる、漫画家の赤松健氏が設立したJコミが、今月の12日昼ごろから、違法の絶版漫画ファイルの提供を、ユーザーから受け付けることを明らかにしている。
ネットのユーザーとの2人3脚によって、ネットを監視。違法にアップされているZIPファイルを回収する計画だとしている。最終的な目標は、ネット上に流通する全ての「違法絶版漫画ファイル」を、「広告入りの正規版(作者が承諾をしたもの)」と入れ替えることだとしている。
概要(赤松健さんのブログから引用)
1 まず、もし「違法な絶版マンガファイル」を持っている方や、WinnyやShareなどP2P上に存在するソレを知っている方がいましたら、Jコミに現物を提出(アップロード)して頂きたいのです。
2 それらのファイルは、すぐには公表されません。Jコミが作者と連絡を取り、許可を得て「浄化*3」してから公表します。これをもって「贖罪*4」とします。
3 もし、そのファイルが絶版マンガではなかったら、誰にもどこにも公表されないまま、消去されます。
4 絶版か新作か迷った場合は、Jコミと作者が判断します。
5 作者のOKが得られ次第、そのマンガの全ページに自動的に広告を付けて公表し、作者の皆様に広告収入をお渡しできます。もちろんJコミの取り分は0%です。
6 もし作者のOKが得られなかったら、そのファイルは見捨てられ、そのまま地獄(Winny)を漂い続けるのです。恐らく永遠に・・・・。
検討
連載中の作品であれば出版社が違法アップロードについて監視をしているが、絶版漫画の場合には、出版社に権利がないため、事実上の監視は行われていない。これでは、ネット上の違法絶版漫画の権利は守られていかない。
現在は、簡単に電子書籍化をすることが個人でも可能になった。そして、ネットには多くの違法アップロードが存在する。このような現状において、違法だと批判・指摘するだけにとどまることが多く、権利関係の管理に、新たに挑戦していく活動は、本当に少ない。
確かに、今回の赤松氏の挑戦は、困難な問題を生じるかもしれないが、こういう挑戦は、これからのネット社会で、コンテンツの利益を保護していく方向性を示していく上で、高く評価できると考える。
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