事故米転売問題、再び~石田物産~
2010/07/27 コンプライアンス, 業法対応, 食品衛生法, 商社

事案の概要
カビの発生したため飼料用として販売された事故米が、食用として転売された事案で、甘糟損害貨物(神奈川県横浜市)、石田物産(同県横浜市)、協和精麦(同県伊勢原市)、共伸商事(愛知県半田市)の4社が食品衛生法違反の疑いで、26日家宅捜索を受けた。
2007年4月に豊田通商(愛知県名古屋市)がアメリカから輸入した米が、検疫でカビが発見されたために事故米となった。その後、豊田通商は甘糟損害貨物に対して、飼料用として協和精麦に販売することを条件としてこの事故米を販売した。
甘糟損害貨物は石田物産に処理も委託して販売したが、石田物産は協和精麦に対し加工台帳などの偽装を依頼して販売・処理をしたかのように装い、事故米を未処理のまま共伸商事に販売し、共伸商事から複数の食品加工業者に販売されたとみられる。
農水省は2008年の調査で、石田物産・協和精麦の提出した販売台帳うけて、適正な処理がなされていた、と判断していた。
事故米は豊田通商から甘糟損害貨物に対して10円/㌔で販売されていたが、共伸商事から食品加工業者に転売された時点では、百数十円/㌔であったという。
三笠フーズによる事故米転売事件の記憶が薄れる前に、またしても同様の事件が発生した。今回、農水省の調査を「適正」とされたものが再調査により判明したもので、調査体制の不備も問題といえる。
しかし、偽装を行うという企業体質自体が根本問題であることは変わりない。
本来販売してはならない物を偽って販売している以上、多大な利益が発生するために誘惑が大きい。しかし、露見した場合には企業生命は絶たれることになり、リスクは計り知れない。
1人の安易な考えで、会社全体が危機に陥る事態になるので、全社員に対し徹底を周知する必要がある。
※食品衛生法
有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがある食品は、これを販売又は販売の用に供するために、加工・使用・調理してはならず(同法6条2項)、これに違反した場合には3年以下の懲役又は300万円以下の罰金規定がある(同法71条1項)。
関連コンテンツ
新着情報

- 解説動画
加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 終了
- 視聴時間1時間

- ニュース
- 東京証券取引所、売上の過大計上など理由に「オルツ」の上場廃止を発表2025.8.6
- 議事録ソフト「AI GIJIROKU」などを提供する「オルツ」が不正会計を行っていたとして東京...

- まとめ
- 改正障害者差別解消法が施行、事業者に合理的配慮の提供義務2024.4.3
- 障害者差別解消法が改正され、4月1日に施行されました。これにより、事業者による障害のある人への...
- 弁護士
- 福丸 智温弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- 業務効率化
- Hubble公式資料ダウンロード

- 解説動画
浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間
- 弁護士
- 水守 真由弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- 業務効率化
- Mercator® by Citco公式資料ダウンロード

- セミナー
登島和弘 氏(新企業法務倶楽部 代表取締役…企業法務歴33年)
- 登島さんとぶっちゃけトーク!法務懇談会 ~第16回~
- 終了
- 2025/06/04
- 19:00~21:00