株主総会における質疑応答について
2016/07/04   商事法務, 総会対応, 会社法, その他


  1. はじめに
    例年6月になると株主総会の時期となります。
    株主総会では、会社に関する重要な事項が決められます。
    その際、株主と会社経営者との間で質疑応答が行われます。
    質疑といってもその内容は、会社の資本金や株価に関する質問のほか、
    取締役等の人事に関わる質問といったものまで様々あります。
    そこで今回は、株主総会における質疑応答の概要についてみていきます。

  2. 取締役等の説明義務とは
    まず、前提として会社法上、取締役等には質問された事項について必要な範囲で応える義務があります(会社法314条)。
    そのため、株主総会における質疑応答はとても重要になってくるのです。
    会社法の条文と解説web

  3. 質疑応答の具体的な内容 ~ 各企業はどうしているのか
    では具体的にはどのような方法で質疑応答を行っていけば良いのでしょうか。
    以下、著名企業の株主総会における質疑応答を検討します。

    ①NTTドコモ
    自己株式に関する質問が行われています。
    また、株主総会の運営、女性の管理職就任の質問といった会社運営に関する質問のほか、
    海外事業についての質問、基本料金の下げるべきだといったとの会社系経営に関する質問などもなされています。
    ドコモ第25回株主総会模様・質疑応答

    ②みずほフィナンシャルグループ
    こちらではPDFにより質疑応答が掲載されています。
    ここでも冒頭から女性の活躍に関しての質問が行われています。
    より広く、人材に関する質問も見られます。
    そのほか、海外債権に関する質問や配当金に関する質問、情報の管理体制への質問も見られます。
    みずほフィナンシャルグループ第14期株主総会

    ③キューピー
    従業員のケアについての質問や必要とすべき人材に関する質問がされています。
    また、女性への管理職への進出などの質問がなされているようです。
    このほか、海外経済と会社との関係や会社運営といった質問など幅広く行われているようです。
    キューピー第103回株主総会Q&A

    以上は一例ですが、いずれの企業においても、人材、特に女性の管理職に関しての質問が多いようです。
    また、会社の将来的な運営や海外経済との関係についてもよく質問がなされているようです。

  4. 質疑応答の参考として他に何があるか
    以上のほか、回答者の立場としては質問への対応などについて以下のサイトが参考になるかと思います。
    質問の受け方やその際の心構えなどが確認できます。
    株式公開質問ナビ質疑応答

    企業のホームページのほか、法律事務所のホームページにも株主総会の質疑応答が掲載されていることがあります。
    こちらでは、インサイダー取引に関連するような回答しづらい質問が出た場合の対応や
    その際のポイントなど詳細な記述が見られます。
    また、配当や今後の経営方針などに対する回答の際、
    どういった回答が好ましいのかというポイントや、どういった回答であれば株主との間でのリスク発生を回避できうるのか、
    といった観点からの回答が記されています。
    成和明哲法律事務所リーガルマップ一覧 (成和明哲法律事務所「株主総会直前対策(想定問答)」参照)

  5. 最後に
    株主総会での質疑応答は株主においても、また、企業においても重要なものです。
    しっかりとした質疑応答が行えず、上述した説明義務違反をしてしまった場合には、
    株主総会決議取消訴訟(会社法831条1項)を提起されることもありえます
    (株主総会決議取消訴訟については、以下のサイトを参照してください
    御器谷法律事務所)。
    そのため、株主総会を向かえるにあたってはしっかりと準備を行うことが大切になってきます。

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