待機児童解消と企業内保育所
2015/11/18   法務相談一般, 民法・商法, その他

1、待機児童解消の試み

 品川区、荒川区、世田谷区が2017年4月を目処に公園の敷地内に保育所を設置し待機児童を解消する見通しであると11月18日付けの日本経済新聞電子版は伝えている。
 こうした公共機関の取組みに対して、待機児童解消に向けた企業内努力をまとめました。

2、待機児童の現状

 2015年4月1日時点の全国の待機児童数は、前年よりも約2000人ほど多い2万3167人であった。このうち都内だけで7814人と全国3割を占める。都内では過去5年間に認可保育所を444箇所開設しており待機児童が減ったものの、いまだに高水準である。

3、企業内での取組み

 待機児童解消の取組みとして企業内で行われている代表的な試みは、企業内保育所の設置である。これは、育児休職後に早期復職したい女性社員の切り札になるものといえる。
 もっとも、全国にある企業内保育所は約4100箇所にすぎず、その多くが女性の多い職場である病院内に設置されており一般企業にはなかなか普及していない。

4、企業内保育所の設置に関して

 以下の場合に、企業内保育所の設置につき国から運営補助金が交付されます。
(1)施設規模が乳幼児6名以上であること
(2)施設につき
 ■乳児室、保育室、調理室、便所があること
 ■1人当たりの面積は、 乳児室 1.65 ㎡以上、保育室 1.98 ㎡以上であること
 ■乳児室がパーテーション等で他から区切られていること
 ■乳児室、保育室は、採光、換気が確保されていること
 ■便所には手洗設備があり、乳児室、保育室、
  調理室と壁で区画されていること
 ■便所の数は、おおむね幼児20人につき1つ以上であること
 ■消火用具、非常口(通常の出入口の他に設置されていること)
  その他非常災害に必要な 設備が設けられていること
(3)施設の設置場所
 ■事業所の敷地内
 ■事業所の近接地
 ■従業員の通勤経路(駅ビル、駅に近接するビル、通勤に便利な場所など)
 ■ 従業員の居住地の近接地(社宅、団地など)
(4)運営
 ■乳児の場合
  おおむね3人につき、保育士1人以上
 ■満1歳以上満3歳に満たない幼児の場合
  おおむね6人につき、保育士1人以上
 ■満3歳以上満4歳に満たない幼児の場合
  おおむね20人につき、保育士1人以上
 ■ 満4歳以上の幼児おおむね30人につき
  保育士1人以上
(5)医療機関との協力体制の構築
(6)専任の看護士の配置(体調不良児対応型運営を行う場合)
(7)設置助成金額
 ■大企業の場合、上限1500万円
 ■中小企業の場合 上限2300万円

5、企業内保育所の設置申請について

(1)事業所内保育施設計画認定申請書(どの場合にも必要な書面)
 ■事業所内保育施設の付近見取図、配置図、平面図、断面図、
  立面図、矩計図及び仕上表
 ■事業所内保育施設の利用条件(保育料、保育時間、利用者の範 囲など)
  を明らかにする書類(写)
 ■保育所の用途で受けた建築基準法第6条第1項又は第6条の2 第1項
  の規定による確認済証(写)(同法の適用を受けない増築・ 改築の場合は増
  築・改築前の建物の建築 基準法第7条第5項又 は第7条の2第5項の規定
  による検査済証(写))
 ■運営開始または運営再開から5年間の施設の利用者見込み数の
  根拠が分かる資料((保)参考様式1、自社労働者の利用希望アン ケート調
  査結果を含む利用者見込み数の根拠資料)
 ■支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)

6、注意点

 企業は、企業内保育所の設置に際して新築と増改築で申請書面が違うので注意が必要である。

7、まとめ

 今後、国は企業内保育所に対して助成金を出しており今後拡充していく方針である。企業内保育所を増加させるには、助成金のみならず開設申請を簡易にする必要であると思われる。

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