労安衛法改正-ストレスチェック制度とは?
2015/08/19 労務法務, 労働法全般, その他
「事案の概要」
今回の改正は労働安全衛生対策の一層の充実を図ることを目的としている。改正項目は、化学物質管理のあり方の見直し、受動喫煙対策の推進など6項目に渡るが、多くの企業と労働者にとって、最も関係が深いと考えられるのはストレスチェック体制の整備であろう。
そもそも労働者安全衛生法は、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする法律である。労働者の安全と衛生についてはかつて労働基準法に規定があったが、これらの規定を分離独立させて作られたのが本法である。
今回の法改正を通じ、義務化されたストレスチェック制度とは、労働者の心理的な負担の程度を把握するための、医師、保健師等による検査(ストレスチェック)の実施を事業者に義務づけるものである。全労働者が選択式の質問票に答える検査を年1回受けることで、回答結果をもとにストレス状況を把握する。事業者は「高ストレス」と判断された労働者から申し出があれば、医師による面接指導を受けさせる義務が生じる。この規定は従業員50人以上の事業所では義務化、50人未満の事業所では努力義務となる。
「コメント」
今国会では、労働者派遣法の改正も確実な見通しであるが、施行3年後の見直し検討が予定されているなど、企業と労働者を取り巻く労働法制の変更は今後も続くものと思われる。労働者を効率よく採用したいという企業側のニーズが強まる一方で、弱い立場におかれ心身の健康を崩す労働者が増加している現状に対し、健康管理を含めた労働者保護について社会的な関心が高まっている。ストレスチェック制度は従業員50人以上の事業所は義務であり、同義務違反の罰則規定はないものの、このような関心の高まりを背景に、企業にはこの規定を遵守することが強く求められると考えられる。
関連コンテンツ
新着情報
- 解説動画
- 奥村友宏 氏(LegalOn Technologies 執行役員、法務開発責任者、弁護士)
- 登島和弘 氏(新企業法務倶楽部 代表取締役…企業法務歴33年)
- 潮崎明憲 氏(株式会社パソナ 法務専門キャリアアドバイザー)
- [アーカイブ]”法務キャリア”の明暗を分ける!5年後に向けて必要なスキル・マインド・経験
- 終了
- 視聴時間1時間27分
- ニュース
- 業務用スマホを無断で売却したバンダイナムコエンターテインメントの元社員が逮捕2024.5.20
- NEW
- ゲーム・トイホビーなどで知られる大手エンターテインメント企業、株式会社バンダイナムコホールディ...
- まとめ
- 株主総会の手続き まとめ2024.4.18
- どの企業でも毎年事業年度終了後の一定期間内に定時株主総会を招集することが求められております。...
- 解説動画
- 大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間
- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード
- 弁護士
- 髙瀬 政徳弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階
- 弁護士
- 並木 亜沙子弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階
- セミナー
- 潮崎明憲 氏(株式会社パソナ 法務専門キャリアアドバイザー)
- 優秀な法務パーソンを自社に迎えるには ~法務専門CAが語るリアル~
- 2024/07/17
- 12:00~12:30
- 業務効率化
- Hubble公式資料ダウンロード