企業結合に対する公正取引委員会審査結果まとめ
2015/06/17   独禁法対応, 独占禁止法, その他

概要

 企業が一定規模の株式取得(第10条)、合併(15条)、共同株式移転(第15条の3) 、共同新設分割・吸収分割 (第15条の2)、事業等譲受け(第16条)を行う場合には、公正取引委員会への届出を義務付けている。企業結合は、会社の組織的な効率化や生産性向上等の利益がある一方で、市場のプレーヤーの減少等により競争が減殺されるおそれが大きく、一旦企業結合が行われればこれを解消することが困難な状況があるため、主に事前審査規制が行われている。

主な事例

①液化石油ガス(LPガス)の元売事業等を営むコスモ石油株式会社,昭和シェル石油株式会社,住友商事株式会社,東燃ゼネラル石油株式会社等が,ジクシス株式会社(旧商号:コスモ石油ガ ス株式会社)にLPガスの元売事業等を吸収分割・承継させることにより,LPガスの元売事業等を統合することを計画した事例(独占禁止法第10条及び第15条の2)。
②王子ホールディングスが,中越パルプ工業の株式を取得し,議決権の20.9%を取得することを計画した事例(独占禁止法第10条) 。
③株式会社東京都民銀行と株式会社八千代銀行が,共同株式移転の方法により,両者の事業を統合することを計画した事例(独占禁止法第15条の3)。
④主に出版業を営んでいる株式会社KADOKAWAと主にポータル事業を営んでいる株式会社ドワンゴが共同株式移転により新設持株会社を設立することを計画した事例 (独占禁止法第15条の3)。
⑤ペットフードの製造販売業を営むマースインコーポレイテッドが設立した子会社であるリッジバック アクイジション エルエルシー (本社米国)が,ペットフードの製造販売業を営むプロクター・アンド・ギャンブル(本社米国)の日本法人であるプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社から,同社の日本国内におけるペットフードの販売事業の全部を譲り受けることを計画した事例 (独占禁止法第16条)。

なお、いずれも競争の実質的制限をすることとはならないと結論づけられたものである。

コメント

公正取引委員会が行う競争規制の中でも、企業結合は、会社にとって注意すべき点が大きい規制の一つである。審査は企業結合審査フロー(公正取引委員会HP参照)によって行われるが、様々な要素が審査の対象になり、当事会社や第三者からの意見書や報告書の提出が求められることもある。実際の事例において、いかなる取引分野や判断要素が検討されているのか、企業結合ガイドラインとともに確認しておく必要がありそうだ。

関連サイト

公正取引委員会

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