【マレーシア】最低賃金制完全導入へ
2013/11/07 海外法務, 海外進出, 外国法, その他

事案の概要
マレーシアで2014年1月1日より最低賃金制度が完全に実施される見込みである。
同国の最低賃金制度については、一部の労働者に限った最低賃金の規定はあったが、一般的には設定されていなかった。一般的な最低賃金導入の計画は2000年代になって動きが出始め、2012年に具体的なプランが策定されていた。
その内容は最低賃金を半島部では月900MYR(MYR=マレーシアリンギ:1MYR=30.95円として月約27000円)、マレーシア東部では月800MYRとし、2013年1月1日より導入される予定であった。
しかし、約400の企業から猶予の要請があり、政府は一部企業に対して2013年12月31日まで制度の適用を猶予していた。
最低賃金導入を受けて、マレーシア華僑で組織される商工会のアンケート調査によれば、回答企業の約7割が、営業コストが上昇したと答えている。業種としては、製造業、飲食業、農林業などで影響が大きく、人員や福利厚生の削減、非正規労働への転換などの対応措置をとる企業も出ている。
マレーシアに限らず他の東南アジア諸国でも近時、最低賃金の水準を引き上げる動きが出ている。カンボジア、ベトナム、インドネシアなどで法定最低賃金が引き上げられている。増加率も大きく、対前年比で軒並み10%台の増加となっている。インドネシア(ジャカルタ地域)に至っては前年比で44%の増加率である。(2013年3月の数字)
賃金上昇の背景としては、労働力の供給不足から労働者側の発言力が増加していることが考えられている。実際ベトナムでは、2003年以降10回にわたって最低賃金の引き上げがなされているが、工場労働者の賃金引上げを求めるストライキが頻発したことが大きな要因になっているといわれている。
好調な経済情勢から賃金上昇の傾向は続きそうだが、上記のようにコスト増に悩まされる企業も多く出てきそうだ。
尚、マレーシアの最低賃金の水準に関しては2年毎に見直しがなされるとのことである。
新着情報
- セミナー
森田 芳玄 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所 パートナー/東京弁護士会所属)
- 【オンライン】IPOを見据えた内部調査・第三者委員会活用のポイント
- 2025/05/21
- 12:00~12:45
- 弁護士
- 目瀬 健太弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- 解説動画
奥村友宏 氏(LegalOn Technologies 執行役員、法務開発責任者、弁護士)
登島和弘 氏(新企業法務倶楽部 代表取締役…企業法務歴33年)
潮崎明憲 氏(株式会社パソナ 法務専門キャリアアドバイザー)
- [アーカイブ]”法務キャリア”の明暗を分ける!5年後に向けて必要なスキル・マインド・経験
- 終了
- 視聴時間1時間27分

- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間

- 業務効率化
- クラウドリーガル公式資料ダウンロード

- 業務効率化
- Legaledge公式資料ダウンロード

- ニュース
- 行政裁量と司法審査の限界とは?―大阪市納骨堂訴訟に見る裁量権の判断基準2025.5.7
- NEW
- 大阪市で争われた納骨堂訴訟を通じて、行政裁量の範囲や司法審査の限界をわかりやすく解説。事業者が...

- まとめ
- 改正障害者差別解消法が施行、事業者に合理的配慮の提供義務2024.4.3
- 障害者差別解消法が改正され、4月1日に施行されました。これにより、事業者による障害のある人への...
- 弁護士
- 原内 直哉弁護士
- インテンス法律事務所
- 〒162-0814
東京都新宿区新小川町4番7号アオヤギビル3階