著作権の保護期間延長
2013/07/11   知財・ライセンス, 著作権法, その他

事案の概要

政府は、現行で著作権についての映画以外の著作物の権利保護期間を原則として権利者の死後50年としている(著作権法51条2項)ものを、権利者の死後70年に延長する方針を固めた。

日本はTPP交渉をきっかけに国内制度の改正するとともに、TPP参加国に先進国型の知財ルールの導入を促していく方針である。

コメント

日本では、2004年1月1日、映画の著作物の著作権の保護期間を公表後50年から70年に延長する改正著作権法が施行されたが、映画以外の著作物の保護期間は、1970年の著作権法全面改正で死後38年から50年に延長されて以来、2012年現在に至るまで変更されていない。

今回の変更が実現すれば、映画以外の著作物の保護期間も20年延長されることになり、権利者にとって利益になるとも考えられる。

しかし、アメリカのディズニーのような世界的に知名度の高い特殊なコンテンツでであればともかく、それ以外のものについて著作者の死後50年もの期間が経過したものが市場で流通し大きな利益を発生させるといえるのかは疑問である。
また、日本を代表するアニメやゲームといったコンテンツは比較的新しいものも多く、20年の延長による恩恵はほぼ無いといえる。

にもかかわらず、今回のような方針が決定されたのは、貿易立国である日本にとってTPPという枠組みは重要であるからと考えられる。
しかし、今回の著作権の保護期間の変更が、本当に国や企業にとって利益となるのかは、もっと慎重に議論がなされても良かったのではないだろうか。

シェアする

  • はてなブックマークに追加
  • LINEで送る
  • 資質タイプ×業務フィールドチェック
  • TKC
  • 法務人材の紹介 経験者・法科大学院修了生
  • 法務人材の派遣 登録者多数/高い法的素養

新着情報

公式メールマガジン

企業法務ナビでは、不定期に法務に関する有益な情報(最新の法律情報、研修、交流会(MSサロン)の開催)をお届けするメールマガジンを配信しています。

申込は、こちらのボタンから。

メルマガ会員登録

公式SNS

企業法務ナビでは各種SNSでも
法務ニュースの新着情報をお届けしております。

企業法務ナビの課題別ソリューション

企業法務人手不足を解消したい!

2007年創業以来、法務経験者・法科大学院修了生など
企業法務に特化した人材紹介・派遣を行っております。

業務を効率化したい!

企業法務業務を効率化したい!

契約法務、翻訳等、法務部門に関連する業務を
効率化するリーガルテック商材や、
アウトソーシングサービス等をご紹介しています。

企業法務の業務を効率化

公式メールマガジン

企業法務ナビでは、不定期に法務に関する有益な情報(最新の法律情報、研修、交流会(MSサロン)の開催)をお届けするメールマガジンを配信しています。

申込は、こちらのボタンから。

メルマガ会員登録

公式SNS

企業法務ナビでは各種SNSでも
法務ニュースの新着情報をお届けしております。

企業法務ナビに興味を持たれた法人様へ

企業法務ナビを活用して顧客開拓をされたい企業、弁護士の方はこちらからお問い合わせください。