医薬品ネット販売 全市販薬の99%解禁の方針
2013/06/04 薬事法務, 薬機法, 流通
事案の概要
政府は3日、一般医薬品のインターネット販売に関して、副作用のリスクが最も高い第1類の一部を除き、解禁する方針を固めた。
利用者の安全に配慮して全面解禁は見送るが、市販薬約1万1400品目のうち、99%超をネット販売可能にする。
市販の医薬品は、副作用リスクの高い順に、第1類、第2類、第3類の3つのカテゴリーに分類される。従来は、最も安全性の高い第3類のみネット販売が認められてきた。
しかし、今年1月の最高裁判決や業界から解禁を求める声を受け、第2類は全て解禁。第1類についても、どの程度のリスクがあるか評価が終わっていない、販売開始から4年以内の薬など、ごく一部の市販薬を除き、大半の販売を解禁する方向で、調整を進める見通し。
医薬品のインターネット販売を巡っては、ネット事業者等の賛成派と医薬品販売業者をはじめとする反対派との間で激しい対立があり、厚生労働省の専門家会議においても、結論がまとまらず賛成派と反対派の両論を併記する形となっていた。
コメント
市販医薬品の中で最もリスクの高い第1類。どのような薬があるかというと、テレビCMでよく見かける胃薬や育毛剤、かぜ薬、外用消炎鎮痛剤(湿布薬)、禁煙補助薬などがある。
具体的な商品名を挙げることは避けるが、いずれもよく見聞きする薬である。
さて、ネット販売反対派の理由として、ネット販売では購入者の顔色など状態が把握できないといったことや、副作用の説明が十分できないことなどが挙げられている。
確かに反対派の主張にも一理ある。しかし、店舗業者の中には、通り一遍の説明に終始し、薬剤師が購入者の状態(病状、既往歴やアレルギー等)を十分ヒアリングしていないケースも少なからずあると聞く。
対面販売業者が十分な説明をしていないというのは、よく聞く話というだけで、実態は違うのかもしれない。しかし、十分な説明をしていないとすれば、消費者のためにも、業者自身のためにも十分な説明を行うべきである。
一般的な副作用の説明なら、ネット販売でも十分可能である。対面販売の利点は、購入者の状態を把握できるという点である。対面販売業者が、購入者に十分な説明を行い、ネット業者との違いを出すことができれば、リスクの高い医薬品を対面販売業者のみの扱いとすることにも、十分説得力がでるはずだ。
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