AIJ事件で年金基金がりそな銀などを提訴~年金回復の突破口となるか
2012/11/15 訴訟対応, 民事訴訟法, 金融・証券・保険

事案の概要
AIJ投資顧問による年金詐欺事件で被害に遭った福岡市の全九州電気工事業厚生年金基金が14日、AIJの運用実態を把握していれば損失を回避できたなどして、基金の資産を管理していたりそな銀行と日本トラスティ・サービス信託銀行に約21億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
AIJ事件で基金側が銀行を提訴したのははじめてとみられる。
訴状によると、同基金は2005年7月にりそな銀行と年金資産の信託契約を結び、AIJが運用するファンドを6億1千万円で取得。2006年10月に24億円を追加投資した。2009年3月に運用益を確定させるため、いったん解約し、2010年4月~12月に計約30億円を再投資。今年2月の事件発覚で投資額の大半が消失していることが判明し、回収が見込めるのは約1億4千万円にとどまるという。
コメント
今回の提訴は、AIJに対するものでなく、直接的に信託契約を結んだ信託銀行に対するものである。
AIJには確たる資産がないことから、基金側が資産を回復するためにはAIJの周辺の運用側にあった者の責任を追及するほかない。今回の厚生年金基金はこうした手段を実際にとった事案である。
被害範囲が大きく、多くの企業に関係する事件であるだけに判決が今後の状況に及ぼす影響はとても大きいものとなると思われる。どのような判決が出るか、今後も注視が必要である。
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