無料サービスの行方 東京スター銀行ATMを巡る訴訟で敗訴
2011/07/29 金融法務, 独禁法対応, 独占禁止法, 金融・証券・保険

概要
東京スター銀行の無料ATMを巡る訴訟で、東京地裁は28日、原告の三菱東京UFJ銀行によるATM提携解除を有効とした。
東京スター銀行はメガバンクが無料サービスを排除する狙いで提携解除したとして、独占禁止法違反を争っていたが、この主張は認められなかった。東京スター銀行は控訴する方針。
背景
東京スター銀行は、通常他行のカードを利用すると200円前後の手数料がかかるところ、手数料無料をうたって利用者を増やしてきた。
これは、通常であれば利用者とカードを発行した銀行がATM設置銀行にそれぞれ手数料を支払うシステムであるところ、東京スター銀行は利用者からの手数料を無料にし、銀行間手数料のみをATM運営費用に充てるシステムにしていた。
現在ATMの銀行手数料については明確な規定がなく、銀行同士に信義上の協定があるに過ぎない。したがって東京スター銀行のとったシステムは、法的には問題ないはずである。
しかし、三菱東京UFJの顧客がスター銀行を利用する頻度が増えたことで、UFJ側が一方的に手数料を支払うことになってしまい、判決でも「UFJが支払う銀行手数料は交渉開始当初の4倍以上の年6億円にも達しており、解除には正当な理由がある」とされた。
今後の方向性
UFJ同様、手数料を一方的に支払う状態になっていた地方銀行も、今回の判決を受けて提携解除に動く可能性があり、スター銀行としてはこの判決を覆すために控訴するのもやむを得ないと言える。
【関連リンク】
- ATM訴訟、スター銀敗訴 三菱UFJ側の解約認める 朝日コム(リンク切れ)→アーカイブ
- ATM提携解約訴訟:スター銀敗訴「提携解消は合法」 毎日新聞(リンク切れ)
- ATM訴訟 スター銀敗訴 日経電子版
関連コンテンツ
新着情報
- 弁護士
- 平田 堅大弁護士
- 弁護士法人かなめ 福岡事務所
- 〒812-0027
福岡県福岡市博多区下川端町10−5 博多麹屋番ビル 401号

- 業務効率化
- 法務の業務効率化
- 弁護士
- 大谷 拓己弁護士
- 弁護士法人咲くやこの花法律事務所
- 〒550-0011
大阪府大阪市西区阿波座1丁目6−1 JMFビル西本町01 9階

- ニュース
- ルーマニア - 2025年NACE分類変更2025.7.2
- NEW
- ルーマニア政府は、欧州基準への適合および経済の変化への対応を目的として、欧州共同体経済活動統計...

- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間

- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード

- 解説動画
岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分

- まとめ
- 11月1日施行、フリーランス新法をおさらい2024.11.11
- フリーランス・事業者間取引適正化等法、いわゆる「フリーランス新法」が11⽉1⽇に施⾏されました...
- セミナー
茂木 翔 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所/第一東京弁護士会所属)
- 【オンライン】暗号資産ファンドの最前線:制度改正と実務対応
- 終了
- 2025/05/29
- 12:00~13:00