65歳までの再雇用の義務化
2011/12/15 労務法務, 労働法全般, その他

1.概要
厚労省は労働政策審議会の部会において、企業に対し、従業員の再雇用を65才まで希望者全員について義務可する方針を示した。これは厚生年金の支給開始年齢引き上げにより、退職金を受け取れなくなる退職者を救済する趣旨である。同制度は2013年度から実施する方針。企業側からは、反対論も多く、今後の動向が注目される。
2.雑感
長引く不況により、失業率が悪化する中、新卒採用にも影響がでそうだ。このような状況の中、65歳までの希望者全員の再雇用の義務化は、企業にとってコスト増は避けられず、若年層の採用にも影響がでそうである。
確かに、企業側のコスト増は問題である。また、若年層は今後年金を支払う層であり、その雇用が滞ることによる収入減は、年金制度そのものを脅かしかねない。他方、高齢化社会を見据え、年金支給の負担増を軽減するため、高齢者の雇用が確保される必要もある。
ジレンマに陥る状態となる面があることは否めない。しかし企業としては、経験豊富で老獪な技術を有する人材をどのように活かせば良いかを考える良いきっかけになるのではないかとも考えられる。これまで培ってきたものを年齢のみを理由に引退を余儀なくされ、生かせなくなるのはもったいない気がする。
有用な人材を年齢を問わず積極的に生かしていく、これからの雇用は経営戦略上、ますます重要性を増してゆくかもしれない。
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