オリンパスの将来、日本企業の将来
2011/12/01 コンプライアンス, 民法・商法, メーカー

1.概要
巨額の損失隠しが明るみに出たオリンパスにおいて、それを指摘したマイケルウッドフォード氏が同社の取締役を辞任したと発表した。この度の同氏の辞任は、オリンパスの経営体質改善のため現経営陣との距離をおくためである。
同社の経営体質改善を一端は野に降ってから行う方針のようである。
今後は同社株主総会における議決権をめぐってプロキシーファイトが行われ、同社の株主総会で新しい経営陣が選出される模様である。
2.雑感
御存知の通り、同社の巨額の損失隠し問題は海外における日本企業の信頼を著しく損ねるものであり、世界中に多大な衝撃を与えた。できれば株主総会での経営陣の刷新という事態に至る大事になる前に、企業内部の有事に対する自浄作用で適切に処理したいところであった。しかし、こと此処に至った以上、同社の株主と新しい経営陣の英断でオリンパスがその信頼を取り戻すことを期待したい。
確かに、メディアの反応の大きさを考慮すれば、現経営陣の推薦する役員が同社の経営権を握ろうが、ウッドフォード氏が推す役員が同社の経営権を握ろうがこれからの信頼回復の道筋は正にイバラの道であることが予想される。しかし、これを成し遂げれば、こうした有事の際の対応力の高さをアピールできる。逆に企業の評価を高めることができる。
今回のような事態は、他の日本企業にとっても対岸の火事ではない。今回の事件をよく分析をして自社体制と照らしあわせた上、今一度自社のコンプライアンス体制を含め再検討を行い、不十分な所があれば修正する必要がある思われる。
ピンチはチャンス…この機を逃さずオリンパスも他の日本企業も徹底的に経営体質を見直したいところである。
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