初の予備試験、合格率1.8%
2011/11/11 法務採用, 民法・商法, その他

平成23年度予備試験の結果
11月10日、法務省から初の司法試験予備試験の合格者が発表された。合格者は20~59歳の計116人。受験者は6477人で合格率は1.8%。合格者の平均年齢は31.57歳だった。
職種別の合格者の内訳は以下の通り。
大学生:40人 無職:32人 公務員:13人 会社員:12人 法科大学院在学生:8人 その他:法科大学院修了者など
予備試験は、法科大学院修了者と同等の学識を有するか否かを判定することを目的とした国家試験である。予備試験の合格者は、その翌年以降の新司法試験の受験資格を得ることができる。
経済的な理由などで法科大学院に通うことができない、あるいは働きながら法律家を目指したい人向けの新しい法曹ルートとして予備試験は当初注目された。しかし、今回の合格発表は、改めて法律家を目指す者にとっては厳しい現実を突き付けられる結果となった。
法曹養成制度の行方
今年初めて実施された予備試験については、合格者数も含めて未知数であった。ただ、今回の発表は、あくまでも法科大学院を経由するルートが主であり、予備試験ルートは例外的な位置付けであることを示唆していると考えられる。
法科大学院や新司法試験を含めた一連の法曹養成制度は、もともと多様なバックグラウンドを持った法律家を確保しようとの考えのもとに発足したはずであった。しかし、その前提はもはや崩れつつある。新司法試験の合格率が25%を下回る中、今回の予備試験の合格率の低さは、ますます法律家への道を閉ざすことに拍車をかけるだろう。
他方、予備試験の合格者はかなりの高い確率で新司法試験にも合格すると考えられる。なぜならば、予備試験の短答式試験の問題は新司法試験の試験問題と大部分において重複しており、超難関な予備試験を突破した受験者であれば、合格時点で新司法試験の合格レベルに十分に達しているといえるからである。
来年の新司法試験は、これまでの法科大学院修了者に今回の予備試験合格者が受験に加わることで、さらなる激戦が予想される。法曹養成制度の運営を検証するためにも、法務省は合格者の具体的な内訳(法科大学院ルートの者、予備試験ルートの者)を公表すべきである。法科大学院の一修了生として、今後の予備試験の合格率にも引き続き注目したい。
関連コンテンツ
新着情報
- 弁護士

- 平田 堅大弁護士
- 弁護士法人かなめ 福岡事務所
- 〒812-0027
福岡県福岡市博多区下川端町10−5 博多麹屋番ビル 401号
- 業務効率化
- Legaledge公式資料ダウンロード
- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間
- 解説動画
浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間
- ニュース
- 東京地裁が駐車場賃料の一方的値上げは違法と判断、賃料変更について2025.12.4
- 「一方的に駐車場の賃料を値上げされ、その後契約解除を通知された」として利用者の男性が貸主の会社...
- まとめ
- 株主総会の手続き まとめ2024.4.18
- どの企業でも毎年事業年度終了後の一定期間内に定時株主総会を招集することが求められております。...
- セミナー
殿村 桂司 氏(長島・大野・常松法律事務所 パートナー)
板谷 隆平(MNTSQ株式会社 代表取締役/ 長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
- 【アーカイブ配信】24年日経弁護士ランキング「AI・テック・データ」部門1位の殿村氏が解説 AIに関する法規制の最新情報
- 終了
- 2025/05/23
- 23:59~23:59
- 業務効率化
- ContractS CLM公式資料ダウンロード
- 弁護士
- 境 孝也弁護士
- さかい総合法律事務所
- 〒105-0004
東京都港区新橋3-9-10 天翔新橋ビル6階











