任天堂が業績悪化!
2011/10/28 法務相談一般, 民法・商法, エンターテイメント

初の最終赤字
任天堂は、2012年3月期の連結最終損益が200億円の赤字になるとの見通しを発表した。200億円の黒字とした従来の予想からは大きくかけ離れることになる。今回の予想通りとなれば、最終赤字は同社が1981年に連結業績の開示を始めて以来、初めてとなる。
業績悪化の要因は、今年2月に発売した携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の販売が伸び悩んだこと、および「3DS」で遊ぶことのできるソフトの販売本数が5000万本と低迷したことにある。さらに急速な円高も収益を圧迫している。
ゲーム市場の構造変化
「ニンテンドーDS」、「Wii(ウィー)」。これらの名称は、誰もがテレビCMなどで聞いたことがあるだろう。しかし、これまでゲーム市場をけん引してきた任天堂が、ここにきて苦戦を強いられている。
今回の業績悪化の背景には、ゲーム市場の構造変化も挙げられる。家庭用ゲーム機の販売は人気ソフトにより左右されるが、そのソフトの大手制作会社が交流サイト(SNS)向けのゲームにシフトし始めているのだ。現に、SNS大手のGREE(グリー)やDeNA(ディー・エヌ・エー)は、コナミデジタルエンタテインメントやスクウェア・エニックスなどと共同で作品を制作し、それらをゲーム配信サイトに投入し、もしくは投入を予定している。近年、急速に台頭してきたソーシャルゲーム市場において、家庭用ソフト各社の存在感が確実に高まっているといえるだろう。
任天堂の課題
スマートフォン(高機能携帯電話)などの普及により、今やゲームは家庭でなく家庭外で楽しむという側面が強くなっている。電車やバスなどの車中あるいは移動中に、一人で気軽に楽しむことができるという点で、モバイルゲームには独自の魅力があることは間違いない。
しかし、ゲームは友達や家族同士で楽しむことができるという利点もある。集団で遊ぶことで会話がはずみ、ゲームのおもしろさを全員で共有することができるのだ。また、とりわけWiiは専用のコントローラーを使って各種スポーツなどを体験できるソフトを有し、ボタン操作のみの従来のゲームとは異なる画期的な取り組みにも成功している。
今回の発表は、ゲーム市場が転換期を迎えていることを示唆している。任天堂の将来は、家庭用ゲーム機ならではの魅力を打ち出せるか否かにかかっているといえるだろう。
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