インドの法務事情
2011/09/12   海外法務, 海外進出, 外国法, その他

1 概要

(1)インドは、南アジアに位置する連邦共和国である。1947年の独立当初は、イギリス国王を君主とする英連邦王国であったが、その後1950年に共和制に移行した。インドの面積、人口、言語、宗教、GDPに関する情報は以下のとおりである。









日本インド
面積377,944k㎡3,287,263k㎡
人口約1億2700万人約12億1,019万人(2011年)
言語日本語ビジネスでは英語、連邦公用語はヒンドゥー語
宗教神道、仏教、キリスト教ヒンドゥー教(82.7%)、イスラム教(11.2%)、キリスト教(2.6%)
GDP約49,093億米ドル約51,9800億インドルピー、2011年度予測は約56,2640億インドルピー(アジア第3位)

実質経済成長率は、2010年度において、世界第5位である。

(2)地域特性
 インドは地域ごとの特性が強く、欧米では「インドは国ではなく1つの大陸である」と言われる。
州ごとに独立した政府と大臣を有している。

そのため、ビジネスを進める上でも各地域の特徴を把握することが必要である。
所得が高いのは北部・西部・南部で、東部・中部は比較的低いとされている。

北部:ニューデリー(首都)-首都周辺は工業地域。国営企業が多い。それ以外は農業中心。
南部:チェンナイ・バンガロール―IT産業・自動車産業中心。
   先住民が多く、反権力志向が強い。
東部:コルカタ―鉄鉱・銅、ウランの産出地
西部:ムンバイ―港湾都市が発達。民間企業中心。

(3)日本経済との関係
日インド間の貿易は、両国の経済規模からすれば、未だ少ない割合にとどまっている。

2009年のデータでは、インドの貿易額に占める対日本の割合は2.2%、日本の貿易額全体にインドが占める割合は0.9%である。

2011年7月22日、インド政府は、外国資本の小売参入を条件付きで認可すると発表した。少なくとも1億ドルの先行投資を行う事業計画を持つ企業に、100万人以上の大都市で小売業を営むことを認める方針だ。

今まで外資の小売業への参入が認められていなかった理由は、インド国内には小規模の小売業者が多く、彼らを保護するためと言われている。

国内業者の保護政策は、今回の認可政策以後も継続されている。たとえば、外資が国内小売業者に直接投資することは禁止されている。国内小売業者とのジョイントベンチャーを組む場合も、外国資本の出資比率の上限は51%と定められている。

2011年8月1日には、両国の間に日インド包括的経済連携協定(CEPA)が発効した。発効後 10 年間で往復貿易額の約 94%の関税が撤廃されることとなっている。

包括的な連携協定が結ばれたことで、今後、労働力の移動や農業技術協力の促進が期待されている。

2 インドの法制度

(1)  インドはイギリスの植民地だった背景も手伝って英米法圏に属しており、英米式の契約社会である。取引時には丁寧に契約が交わされることが多い。

したがって日本企業が簡素な契約書しか用意していない場合、取り決めがあいまいな部分についてインド側が交渉の主導権を握る可能性があるので、注意すべきである。

(2)  インドの会社には、①無限責任会社②保証有限責任会社③株式有限責任会社の3つがある。

【会社設立手続】
(1)進出地域の企業登録局にオンライン申請してDIN(管理職認識番号)の取得
(2)企業登録局に会社名の承認申請(500ルピー)
(3)企業登録局から会社設立証明書の取得

日本の会社法と異なる点の一つに、株主総会決議における定足数が人数で決まることが挙げられる。(日本では議決権割合によって決まる。)
したがってインド人株主だけで定足数を満たすのであれば決議が有効になってしまう。日本企業としては、定款で定足数を加重するなどの対策が必要である。

(3) 租税法
法人税率は、外国企業の場合、総額で42.024%(法人税率40%、課徴金として2%、教育目的税として3%)。
課税対象所得が1,000万ルピーを下回る場合、課徴金の対象外となり、減税される。
(4) 投資認可制度
外国資本の直接投資認可制度には、自動認可制度と個別認可制度がある。自動認可制度では、インドの中央銀行にあたるインド準備銀行への届出だけで投資が認可される。

投資先がインド政府によるネガティブリストに該当してしまうと、個別認可を申請するしかない。
 
 ・ネガティブリスト詳細

3.インド法曹養成制度

 インドの弁護士資格は、ロースクール卒業によって取得でき、競争試験はない。このため、インドでは毎年数万人の有資格者が誕生しており、全体として600万を超える数になっている。
 
弁護士資格がとりやすい一方、裁判官の試験は厳しい。7年間の実務経験と、各州の競争試験を突破する必要がある。このような高いハードルが課されているため、裁判官の質は高く、尊敬も集めている。
 裁判所は最高裁判所と21の高等裁判所、地方裁判所で成り立っている。

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