テレビ局は法律違反をしているのか? 外国人株式保有問題について調べてみた 
2011/08/02   商事法務, 会社法, エンターテイメント

概要

「フジテレビや日本テレビは外国人株主の数が多く、放送法違反をしている」このような議論がネット上で巻き起こっているので、法律面ではどうなっているか、再度検証してみたいと思います。

法的根拠・分析

法的規制の根拠法は、「電波法5条4項」です。
この法律では、外国人が議決権付きの株式のうち(全株式ではない)20%以上を保有するに至った場合、放送免許を取り消すと規定されています。
ただし、そのような状態になっても直ちに免許を取り消されるわけではなく、現在有効な免許の期限が切れるまでにその状態を是正すれば取消処分無しとできるとされています(同75条)。

そして、放送法第52条の8は、外国人が議決権付きの株式のうち20%以上を保有しそうになった場合、その取得者を株主名簿に記載することを拒否する権利や、超過株式に議決権を認めない権利を規定しています。
つまり、放送法は電波法5条に記載されているような状態になってしまう場合の防御策として規定されているわけであり、「テレビ局が放送法に違反している」という議論はそもそも間違っていると言うわけです。
(ちなみに4月時点でのフジテレビの議決権付き株式の外国人保有率は19.99%であり、法律上は電波法に違反していません)

また、株主名簿への記載拒否をされると、「自分が株主である」ということを会社に対抗することができず、いわゆる「失念株」と同様の状態になると考えられますが、その処理については放送法等では規定されておらず、会社に任されている状態のようです。
(フジテレビは「配当は払うべき」との考えだが、日本テレビは「株主名簿に記載されていない方は株主ではない」という立場のようです)

総評

法律面からの状況整理を終えたところでは、テレビ局の法律違反という状態は起こっていないようです。
しかし、フジテレビが3月に名義書換の拒否を行った外国人株式は、全株式の9.74%にものぼり、議決権は無いが、株式の外国人保有は確実に進んでいるといえます。
このことがテレビの運営に影響を与えないと断言することは、現在のテレビ放送を見るとできないのではないでしょうか。
地上デジタルに変わり、新しいスタートを切ったテレビですが、ここにきて法律面からの刷新を迫られているのではないでしょうか。

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