司法修習中の給与、ついに貸与制へ移行か?
2011/07/13 法務採用, 民法・商法, その他

法曹の養成に関する制度の在り方について検討している「法曹の養成に関するフォーラム」(座長・佐々木毅学習院大教授)の第3回会合が13日、法務省で開かれ、弁護士5年目の平均年間所得が1107万円に上るとの調査結果が公表された。会合では、貸与制を支持する意見が大勢を占め、今後、貸与制への移行を前提とした議論を進める方針が了承された。
貸与制移行の背景
貸与制移行の背景は以下の2点にある。
1、弁護士は安定した収入が得られるため、法科大学院の奨学金返済を考慮しても貸与金の返済は十分にできるとみられた。2、年間3000名合格者大量増による、財政支出を削減したい。理由2は、平成22年度の合格者は約2000人に留まっており、財政負担は当初予定した額を下回り、貸与制移行の根拠としては弱い。それでは、弁護士は本当に安定した収入を得られるのか?
平均所得のウラ
弁護士の平均所得は、供給過多により年々減少傾向にあり、数年後に前述の平均年間所得が維持される保障はない。特に、就職難のため、新人弁護士の所得状況は厳しい傾向にあり、登録1年目の平均年間所得が400万円未満の者が増加傾向になる。平成18年では14・4%だったのが、平成22年では2倍の28・8%になっている。さらに、法科大学院出身者の多くが奨学金など、債務を負っており、特に未修者コース出身者は、高額の債務を抱えている。具体的には債務が600万以上の者が21・5%を占めており、これに修習中の貸与金300万円が加えると、1000万近くの債務を抱えることになる。どこの法律事務所も経営が厳しく、今後は登録年数に比例して、所得が増加することが見込めず、返済は弁護士にとって、大きな負担となることは間違いない。
法科大学院はどうなる?
合格率の低下や、経済的負担によって、法科大学院への進学希望者は急激に減少傾向にある。今年度から始まった予備試験志願者が8900人に上るなど、新司法試験出願者と3000人程度しか変わらないことからすると、法科大学院制度が崩壊寸前であることがわかる。もし、貸与制に移行すれば、さらに、大学院進学者は減り、制度の転換自体を考えなくてはならなくなるだろう。
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