まもなく施行、改正女性活躍推進法について
2026/03/12 労務法務, コンプライアンス, ハラスメント対応法務, 労働法全般, 法改正

はじめに
2025年6月に成立した改正女性活躍推進法が今年4月1日から施行となります。企業の男女間賃金差異等の情報公表義務の拡大や女性の健康上の特性配慮などが盛り込まれています。今回は改正女性活躍推進法の概要について見ていきます。
女性活躍推進法とは
女性活躍推進法とは、自らの意思によって職業生活を営み、または営もうとする女性がその個性と能力を十分に発揮して職業生活において活躍することが一層重要になっていることに鑑み、女性の職業生活における活躍の推進についてその基本原則を定め、国や地方自治体、事業主の責務を明らかにすることを目的とした法律です(1条)。
この法律は2016年に施行され、2026年3月31日までの時限法として成立しましたが、昨年の法改正によって有効期限がさらに10年間延長され2036年3月31日までとなっています。
その基本原則は、男女間の格差の実情を踏まえ、自らの意思によって職業生活を営もうとする女性の採用、教育訓練、昇進、職種および雇用形態の変更その他の職業生活に関する機会の積極的な提供、そして女性の健康上の特性に留意してその個性と能力が十分に発揮できるようにすることを旨としています。
女性活躍推進法による義務
女性活躍推進法では常時雇用する労働者数が101人以上の事業主に対し、(1)一般事業主行動計画の策定、社内周知、外部への公表と都道府県労働局への届出、(2)女性の活躍に関する情報公表を義務付けています(8条1項)。
一般事業主行動計画では、計画期間、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施により達成しようとする目標、実施しようとする女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の内容および実施期間を盛り込むこととなっています(同2項各号)。
女性の活躍に関する情報公表については、常時雇用する労働者が301人以上の場合、男女間賃金差異に加えて2項目以上の公表が義務付けられます。常時雇用する労働者が101年~300人の場合は1項目以上の公表が義務付けられています。
改正法施行後
今年4月1日の改正法施行後は義務付けられる公表事項が拡張されます。
まず、常時雇用する労働者が301人以上の場合は「男女間賃金差異」に加え「女性管理職比率」+2項目となります。そして、常時雇用する労働者が101人~300人の場合も「男女間賃金差異」「女性管理職比率」+1項目と公表事項が大幅に拡大されています。
ここで選択できる公表項目としては以下の通りとなっています。
「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」
・採用した労働者に占める女性労働者の割合
・男女別の採用における競争倍率
・労働者に占める女性労働者の割合
・係長級にある者に占める女性労働者の割合
・役員に占める女性の割合
・男女別の職種または雇用形態の転換実績
・男女別の再雇用または中途採用実績
「職業生活と過程生活との両立に資する雇用環境の整備」
・男女の平均継続勤務年数の差異
・10事業年度前およびその前後の事業年度に採用された労働者の男女別の継続雇用割合
・男女別の育児休業取得率
・労働者の1月当たりの平均残業時間
・雇用管理区分ごとの労働者の1月当たりの平均残業時間
・有給休暇取得率
・雇用管理区分ごとの有給休暇取得率
コメント
以上のように、今回の改正法で従業員301人以上の企業では男女間賃金差異に加えて女性管理職比率の公表が義務付けられることとなります。101人~300人の企業ではこれまで義務ではなかった男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が義務となります。
これらの数値は具体的には改正法の施行後に最初に終了する事業年度の実績をその次の事業年度の開始後おおむね3か月以内に公表する必要があるとされています。その後もおおむね1年に1回以上、最新の数値を公表する必要があるとのことです。
また、「管理職」とは課長級と課長級より上位の役職(役員を除く)の合計とされています。求職者等に対するセクハラ防止措置の内容を公表していることが「プラチナえるぼし」認定要件に追加されています。
近年の多様な労働者の就業環境整備や女性活躍推進の流れを注視しつつ、自社の就業環境の整備を進めていくことが重要と言えるでしょう。
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