出席者過去最多、長丁場!!今こそ問われる、株主総会の存在意義とは?!
2011/06/30 商事法務, 総会対応, 会社法, その他

東電、ソニーを筆頭に!
昨日29日、株主総会が全国で1028社(非上場含む)開催された。6月下旬、3月期決算企業の株主総会の開催がピークを迎えている。
中でも各電力会社は揃って、未だ収束をみない原発問題について、株主からの厳しい責任追及の対応に追われた。東京電力の株主総会は28日に開催され、出席した株主は9258人(午後1時)と過去最高になっている。関西電力の株主総会は29日に開催され、過去最多人数の約2200人が出席。北海道電力の株主総会は29日に開催され、昨年より207人多い627人が出席。柏原子力発電所の安全性についての質問が相次ぎ、長さは過去2番目に長い3時間11分となった。
また、原子炉の開発・製造をし、国内の上記電力会社に提供してきたメーカーである、東芝(22日)、三菱重工業(23日)、日立製作所(24日)の総会出席者も過去最多の人数を記録した。
一方、ソニーが28日に開催した株主総会には、過去最高の8360人が出席。総会では、記憶に新しい1億人超の顧客情報流出問題に加えて、液晶テレビなど中核事業の不振についても経営責任を問う声が相次いだ。
頭を下げる経営陣…しかし株主提案は否決!
東電株主総会の冒頭、議長を務めた勝俣恒久会長は「福島第1原発事故、計画停電で株主や立地地域、社会の皆さまに迷惑と心配をかけていることをおわびします」と述べ、役員とともに頭を下げることで、謝罪の意思を表した。
しかし、取締役の選任など会社側が提案した2議案は賛成多数で可決された一方で、株主402人が求めた脱原発の議案は、賛成約8%、反対は約89%で、否決された。会場内では賛成の手を上げている人が多いように見え、拍手も多かった模様だが、会場の出席者の株数を優に上回る大株主などからの委任状があるとして、賛否の数を数える動議を退けて、否決された。
届かない、不安の声!!
「意味ないじゃないか」
…東電の総会に出席した株主からは憤慨とも脱力とも取れる声が漏れた。東電には個人株主が74万人おり、人数の上では99%だが、株式数の割合は44%に留まる。方や1%の大株主が56%の株を保有しているといわれ、保有率3%台の株主上位には信託銀行、生命保険などの金融機関が並び、東京都も2.7%持っている。このような状況では、遠方から出席した個人株主の声は、東電には届きにくい。結局、会社の方針は大株主の意向に沿う形になるのが、株式会社の性だ。
電力会社、ソニーにおいて、不祥事に関する相次ぐ質問については、責任者によって一応の説明がなされたようだ。はたして説明責任が十分に果たされたといえるか。電力会社を応援する気持ちで、あるいはソニーの商品が好きで、株式を持つ個人投資家の期待を裏切ってはいけない。今後、あらゆる形態で説明を尽くし、必要であれば経営責任を果たすことが企業の先行きを左右するであろう。
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