「ネット規制法案」(コンピュータ監視法案)の正体、ご存知ですか?
2011/04/12 法改正対応, 法改正, 刑事法, その他

概要
いわゆる「ネット規制法案」なるものが閣議決定されたと、話題になっている。この法案は、正確には「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」というものであり、刑事訴訟法197条等に新たな条文を加えるというもの。施行日等は未定。
追加予定条文から抜粋
検察官、検察事務官又は司法警察員は、差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者等に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、三十日を超えない期間を定めて、これを消去しないよう、書面で求めることができる。
問題点
今回の改正のポイントは、令状なしに、プロバイダ等にデータの記録の保管を求めることができるという点だ。プロバイダ側にも、データの保存という事務的・技術的な手間がかかるため、任意提出が安易におこなわれる危険性がある。
※4月12日に掲載したニュースでは、「令状なしにプロバイダ等にデータの記録の提出を求める事ができる」という記載をしておりましたが、正しくは、「令状なしに、プロバイダ等にデータの記録の保管を求めることができる」の誤りでした。お詫びをして訂正させていただきます。
総評
地震のどさくさにまぎれて決定されたと思われている本法案だが、地震以前から議論されていた。
おそらく、尖閣関係の情報流出がきっかけの一つにあるのではないだろうか。
デマや悪質な書き込みが氾濫する現在、ネット犯罪抑制のための措置は必要であると思うが、やりすぎればそれは表現の自由の侵害となる。
今後の法律の運用に注目したい。
関連コンテンツ
新着情報

- 解説動画
加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 終了
- 視聴時間1時間

- まとめ
- 今年秋施行予定、改正景品表示法の概要2024.4.25
- 昨年5月に成立した改正景表法が今年秋に施行される見通しです。確約手続きの導入や罰則規定の拡大...
- 弁護士
- 水守 真由弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- 弁護士
- 目瀬 健太弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- ニュース
- 豊田自動織機が12月にTOBを予定、株式非公開化のスキームについて2025.7.9
- 豊田自動織機が株式非公開化に向け、12月にTOBを開始する予定であることがわかりました。 ...

- 業務効率化
- 法務の業務効率化

- セミナー
板谷 隆平(MNTSQ株式会社 代表取締役/ 長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
- 【オンライン】新サービス「MNTSQ AI契約アシスタント」紹介セミナー
- 終了
- 2025/04/22
- 14:00~14:30

- 業務効率化
- クラウドリーガル公式資料ダウンロード

- 解説動画
江嵜 宗利弁護士
- 【無料】新たなステージに入ったNFTビジネス ~Web3.0の最新動向と法的論点の解説~
- 終了
- 視聴時間1時間15分