10年連続増加のサイバー犯罪、変わるのは「量」だけではない!
2011/03/04 知財・ライセンス, コンプライアンス, 情報セキュリティ, 民法・商法, 著作権法, その他

10年連続増加のサイバー犯罪、変わるのは「量」だけではない!
1 「量」が増えるだけでなく…
今月3日、警察庁は平成22年度にインターネットを利用するサイバー犯罪の検挙状況をまとめ、発表した。検挙件数は6933件(前年比+243件)、統計が取られ始めてから過去最多に達した。
昨今の情勢から、サイバー犯罪の件数が増加する事自体は予想の範囲内かもしれない。ただ、変化したのは「量」だけではない。「質」も劇的に変化している。
倍増した点で目を引いたのは著作権法違反(368件、ほぼ2倍)。児童ポルノやオークション詐欺も大幅増加だ。
反対に、不正アクセス防止法違反事件や迷惑メールに関する相談件数は大幅に減少した。
2 手口の変化・犯罪舞台の多様化
オークションサイトでIDやパスワードを違法に取得する事件は減り、不正アクセス防止法の事件は減少したとされる。しかし、摘発できないフィッシングや著作権侵害のデータをアップロードする事件は増える…つまり、手口が変化したということ。
犯罪が容易になる舞台も増えていく。今後ますます普及するだろうスマートフォン、著作権侵害が多発する可能性のあるウェブサイトの展開。例えば、米国通商代表部に名指しで批判される「百度(バイドゥ)」の日本語版は現にもう、存在している。
(画像はWikipediaから引用。北京市の「百度」本社)
3 知って…るつもり?本当に知っている?
最近話題を集める、京都大学入試不正事件。
Yahoo!知恵袋は質問へのレスポンスが極めて早く、筆者もよく利用している。が、携帯からあれほど簡単に使えることは知らず、驚いた。
インターネットを犯罪に使う手段の進化は早い。しかし、それらを最低限知ることにすら、一定の自発的努力が必要になる。常に知識をヴァージョンアップせねば、犯罪の可能性にすら気づけない。
犯罪がありうる死角。それが足元にあっても、本当にその危険を知っている人がいるのか?法務の責任は重い。
【関連リンク】
警察庁広報資料
「平成22年度中のサイバー犯罪の検挙状況について」の広報資料。
サイバー犯罪って?
「サイバー犯罪」の正確な定義。福井県警察のサイト内。
「百度」ライブラリ日本版(リンク切れ) →代替リンク
関連コンテンツ
新着情報
- 弁護士
- 福丸 智温弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- セミナー
熊谷 直弥 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所 パートナー/第一東京弁護士会所属)
- 【オンライン】2025年春・Web3/暗号資産の法令改正動向まとめ
- 終了
- 2025/04/23
- 12:00~13:00
- 弁護士
- 目瀬 健太弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- 業務効率化
- 鈴与の契約書管理 公式資料ダウンロード

- まとめ
- 独占禁止法で禁止される「不当な取引制限」 まとめ2024.5.8
- 企業同士が連絡を取り合い、本来それぞれの企業が決めるべき商品の価格や生産量を共同で取り決める行...

- 解説動画
岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分

- 業務効率化
- Legaledge公式資料ダウンロード

- 解説動画
江嵜 宗利弁護士
- 【無料】今更聞けない!? 改正電気通信事業法とウェブサービス
- 終了
- 視聴時間53分

- ニュース
- 建設会社の取締役だった男性に労災認定、役員の労働者性について2025.8.28
- 千葉県の建設会社の専務取締役だった男性(当時66)が2017年に亡くなった件で東金労働基準監督...