ニコニコ動画とバイドゥ
2011/03/03 知財・ライセンス, 著作権法, エンターテイメント

ニコニコ動画について
今月から、、「ニコニコ動画に投稿する動画」や「ニコニコ生放送(ユーザー生放送)での放送」等で、エイベックス・マーケティング、ドワンゴ・ミュージックエンタテインメントのアーティスト達の音楽原盤、つまりCD音源を使用することができることとなった。
これにより、動画作品や生放送などのBGMに、CD音源が使用できるようになる。
ここ最近、週末に著作権違法などの記事を書いてきました。ネットに関しては、違法行為が多く、その取締りの必要性を強く感じていました。
今回のCD音源利用可能については、利用者の利便性を高める上で、喜ばしいニュースである。このように、関係各社の努力により、適正にルール作りをしてもらえることは、これからも、どんどん必要になることと思われる。
バイドゥについて
これとは対照的に、中国最大手の検索サイト「百度」(バイドゥ)については、多くの問題を生じている。知っている人も多いが、バイドゥには、Baiduライブラリというサービスが始まった。このサービスは、ネットでも疑問を投げかける声も多く出ていた。このサービスは、前回書いた記事の自炊による電子書籍化のレベルを超えたものではないだろうか。
そんな中で、出版関連4団体が、バイドゥに対して、違法投稿に対して適切な処置を求めるなどの抗議声明を出した。
これに対して、バイドゥ側は、具体的な対抗策を、いまだ講じてはいない。それどころか、利用者にポイントを付与するなど、投稿を促すようなような状態だ。また、利用規約等による警告も形式的にとどまっている。これでは、違法投稿は減ってはいかないだろう。
日本と中国ということで、国境を隔てていることから、なかなか、違法投稿に対して、具体的な法律的処置を取りにくいことも、この問題を難しくしているのかもしれない。
最後に
今回は、少し対照的な二つの出来事を比較してみた。ネットは便利であるし、これからも、どんどん広がっていくであろう。そして、自由な閲覧が投稿サイトの良いところである。がしかしである。著作権法違反の投稿が増え続ければ、適正な市場が成り立たず、権利者側の利益がなくなる。
結局、それは、最終的に、私たちが著作物を利用することを不可能にしてしまうことにつながる。表現方法が多様化し、ネット投稿の利便性を守ろうとするならば、きちんとした事前のチェックと、違反を見つけた場合には削除要請ができる制度を整備すべきだ。
ネットでの進歩は早い。だからこそ、そのルールの仕組み作りの方も、迅速に対応していく必要性があり、また、ひとりひとりの権利意識を高めていくことも大切だと思う。
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