情報流出!?Facebook・Twitterと情報管理
2011/01/18 コンプライアンス, 情報セキュリティ, 民法・商法, IT

現状
最近、FacebookやTwitterなどを利用したWEBマーケティングやWEBプロモーションが注目を浴びており、浸透してきつつある。
しかし、その一方で先日ウェスティンホテル東京での飲食店のアルバイトが客の個人情報を流出させたことが問題となったり、また、某マスコミ企業ではTwitterの使用を禁止したという話もまことしやかに流れるなど問題点も指摘されている。
そこで、企業法務としては情報管理の観点から、どのような対応策があるのだろうか。
前提
基本的にFacebookやTwitterは単なる道具であり、それ自体悪いものではない。
しかし、使用するか否かも含め、それをどのように運営するかが法務としては問われている。
WEBプロモーションではある程度積極的に運営しないと人気サービスやコンテンツとならず、それではそもそもプロモーションとは言えない。むしろ、中途半端な使用は企業イメージにとってマイナスにもなり得るといえる。
他方、運営する社員のほうは、どこまで会社の人間として運営しても良いのか迷ってしまい、結果として十分にツールを活用できないという意見も聞く。
Twitterで人気を博したある企業の運営者は胸に辞表を忍ばせながらTwitterを運営していたと語っていた。
情報流出と損害賠償責任
①情報流出させた本人はもちろん不法行為責任を追及される可能性もある。
②それと同時に、企業側も使用者責任を追求され損害賠償の連帯責任を負う可能性もある。
対応策
では、このようなインターネットツールとどのように向き合っていけばよいのだろうか。
1、使わないという選択。
確かに、必要もないのに使用する事は避けるべきであろう。
しかし、ネット化が進んだ現代では今後も同様の便利なツールが出現するだろう。
それらを全て禁止することは現実的ではなくなる可能性がある。
現在Eメールを使用している企業であれば、Eメールを禁止する事のリスクは想像に難くないだろう。
2、流出を出来るだけ防ぎ使用する。
今後情報漏洩を前提に対策する事が考えられる。
そのためには社員と守秘義務契約を締結する事はもちろん、研修等で3年間隔に守秘義務契約の内容を確認させること等、社員全体にコンプライアンスの意識付けを徹底する事も必要であろう。
結局は情報漏洩を防ぐには社員のモラル向上と罰則しかないと考えるべきである。
その上で、ツールを使うメリットとリスク管理にかかるコストとの均衡で判断するしかないであろう。
参考
【参考条文】
民法第709条 【不法行為による損害賠償】
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
民法第715条 【使用者等の責任】
第 1 項 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
第 3 項 前2項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。
民法第719条 【共同不法行為者の責任】
第 1 項 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
【関連リンク】
ウェスティンホテル東京[総支配人より] お詫びとご報告(リンク切れ) →代替リンク
関連コンテンツ
新着情報

- まとめ
- 中国「データ越境移転促進・規範化規定」解説2024.4.23
- 中国の現行法令上, 香港・マカオ・台湾を除く中国本土内(「境内」)から境外への個人情報等の移転...

- 解説動画
大東 泰雄弁護士
- 【無料】優越的地位の濫用・下請法の最新トピック一挙解説 ~コスト上昇下での価格交渉・インボイス制度対応の留意点~
- 終了
- 視聴時間1時間

- 業務効率化
- ContractS CLM公式資料ダウンロード

- ニュース
- トラック運送事業「5年更新制」へ、貨物自動車運送事業法改正の動き2025.4.21
- 自民党トラック輸送振興議員連盟は17日、トラック運転手の適正な賃金確保に向け、貨物自動車運送...

- 解説動画
岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分

- 業務効率化
- 法務の業務効率化
- 弁護士
- 平田 堅大弁護士
- 弁護士法人かなめ 福岡事務所
- 〒812-0027
福岡県福岡市博多区下川端町10−5 博多麹屋番ビル 401号
- 弁護士
- 原内 直哉弁護士
- インテンス法律事務所
- 〒162-0814
東京都新宿区新小川町4番7号アオヤギビル3階

- セミナー
藤原 鋭 氏(西日本旅客鉄道株式会社 法務部 担当部長)
西﨑 慶 氏(西日本旅客鉄道株式会社 法務部)
藤原 総一郎 氏(長島・大野・常松法律事務所 マネージング・パートナー)
板谷 隆平(MNTSQ株式会社 代表取締役/ 長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
- 【2/19まで配信中】CORE 8による法務部門の革新:JR西日本に学ぶ「西日本No.1法務」へのビジョン策定とは
- 終了
- 2025/02/19
- 23:59~23:59