無念、宗男議員! 最高裁が上告棄却決定、近く監収へ
2010/09/09 コンプライアンス, 刑事法, その他

最高裁判所は、8日、以下の4つの罪に問われ、1・2審で有罪判決が下された鈴木宗男衆議院議員の上告につき、棄却する旨の決定をした。これにより懲役2年及び追徴金1100万円の実刑とした1・2審判決が確定し、国会法の規定で同議員は失脚することとなり、また近くに監収される見通しである。
②1998年8月、官房副長官であった際に、無断伐採により7カ月の入札資格停止処分行政処分を受けた木材会社「やまりん」から林野庁への不利益填補の取り計らいを依頼されたことの対価として計500万円を授業した(あっせん収賄罪)。
③資金管理団体「21世紀政策研究会」の政治資金から、約3600万円を自宅購入費に流用するとともに、同団体の政治資金収支報告書に約1億円の寄付収入を除外した(政治資金規正法違反)。
④2002年3月の衆議院予算委員会の証人尋問において、①の事件に関与していない旨を偽証した(議院証言法違反)。
最高裁の決定では、①についてのみ職権の判断がされている。同判断は、受託収賄罪の構成要件要素である「その職務に関し」につき、職務と密接に関連する行為を含むという従来の判例を前提としたうえで、要約すると以下のように該当性を認めている。
被告の北海道開発局湾岸部長への工事受注に関する働き掛けは、職員への服務統監権限を背景に、予算計画作成事務を統括する職務権限を利用して、職員への指導という形で行われた。被告には、工事の実施に関する指揮監督権限はないが、このような働き掛けは競争入札を待たずに工事業者を事実上決定するものであり、金銭と対価に行われれば上記職務に対する公正及び社会一般の信頼が損なわれる以上、被告の職務と密接に関連する行為である。
このように収賄事件においては、金銭等との対価とされた行為が「その職務に関し」に該当するかが争点となるケースが多い。その際、被告たる公務員の直接の職務行為のみならず、行政指導や下級公務員への助言等をする行為も職務密接関連行為として「その職務に関し」に該当すると判断されることになりうる。そして、受託収賄罪が成立する場合には、賄賂の提供側にも贈賄罪が成立するので、注意が必要である。
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