【PR】噂のリーガルテックツール「Hubble」を使ってみました
2020/06/16   契約法務, リーガルテック

最近、法務界隈で噂になっている、契約書管理・共有の効率化ソフトウェア「Hubble」を利用してみましたので、その利用実感をまとめてみます。
  

Hubbleとは

株式会社Hubbleが提供する、契約書審査から契約締結、その後の契約書管理まで、全ての工程をストレスなく一元管理できるソフトウェアです。

契約書雛形のバージョン管理のしやすさが一つの特徴となっておりますが、Hubbleの営業の方のお話によると、「一つの強烈な機能を売りにしたソフトウェアというよりは、まるでスルメのように、噛めば噛むほど(使えば使うほど)便利さが染み渡るタイプのソフトウェア」とのことで、雛形のバージョン管理機能以外にも、「痒い所に手が届く機能」が随所に盛り込まれているようです。

 

Hubbleに期待したいこと

弊社でも、契約書審査・締結・管理業務は相応に発生しますが、「契約書審査のやり取りのためのメールの作成が面倒くさい」、「メールから添付ファイルをダウンロードしてwordを起動させて”という工程も地味に面倒」、「契約書ファイルや契約締結までのやり取り情報・検討過程等の情報が偏在していて、事後的に契約締結までの流れを追うのが大変」といった不便を感じています。その辺りの煩わしさ・不便さが、Hubbleの利用により、どの程度解消されるのか楽しみです。

【ご参考】現状の社内での契約書審査フロー


(1) 事業部担当者が契約書審査メールを作成


(2) 法務がメールに添付されたwordファイルを開く


(3) wordファイルをいじって修正する


(4) 事業部担当者宛にメールを作成して修正したwordファイルを添付して送信する


(5) 契約締結の進捗は個々の事業部担当者がタスク管理


(6) 締結済の契約書は事業部担当者がNAS(ネットワーク接続ハードディスク)内のフォルダに格納



 

早速使ってみました

1.ログイン→フォルダ作り

早速、アカウントにログインして利用開始です。ログインすると、ファイルの格納庫のような画面が現れます。

まずは、その後の管理のために、ここにフォルダ群を作成し、適切なフォルダに審査対象となる契約書がアップロードされて行く下地を作ります。営業の方のお話によると、

●年度別フォルダを作り、その下層に企業名フォルダを作成する

●年度別フォルダを作り、その下層に事業部ごとのフォルダを作成、さらにその下層に企業名フォルダを作成する

といったように、各社の状況に合わせて、その後の管理がしやすいようにフォルダルールを作成するのが案外重要だそうで、利用にあたっては、その辺りのイメージを事前に作っておくとよいと思います。

 

【第一階層】

【第二階層】

 

ちなみに、Hubbleの初利用の際には、営業担当の方が利用方法を丁寧に教えてくれますので、こういったツールに不慣れな方でも安心して利用できると思います(私はZoomで教えてもらいました)。また、Hubble上からチャットで質問できる機能もあるので、サポート体制も万全です。「通常数時間以内に返信」と記載されていましたが、私の場合は30分ほどで返信いただけました。

 

2.契約書のアップロード→事業部から法務への審査依頼

フォルダ群を作ったら、次は審査対象となる契約書のアップロードです。

Hubbleでは管理画面からユーザーを簡単に追加できるようになっていますので、事前に事業部担当者をユーザー追加しておき、その事業部担当者にクライアントから出て来た契約書をアップロードしてもらいます。ドラッグ&ドロップで簡単にアップロードが出来ました。

アップロードされたファイルを開くと、こんな画面が。

 

契約書の内容と共に右側にコメント欄が表示されます。このコメント欄(画像の赤丸部分)の利用がHubbleを便利に利用する上での一つのポイントになるそう。

営業担当の方がお薦めしてくださったように、まずはコメント欄の最上部に依頼内容を記載。普段、事業部担当者がメール本文に記載しているような内容ですね。その上で、「@」マークと打つと、コメントの送信先のユーザーを選べるようになるので、私のアカウントを選んでもらい、コメント送信ボタンを押してもらいます。すると・・・

 

Hubbleの登録アドレス宛に通知メールが来ました。通知メールのリンクをクリックすると、すぐにHubble上にアップロードされた契約書の画面に飛びます。今回は特に設定をしていなかったので、メールで通知が来ましたが、Slackやチャットワーク、Microsoft Teamsに飛ばすこともできるそうで、それまで使用していた連絡ツールを変えることなく利用できるのは嬉しいですね。

 

3.契約書審査

Hubble上の契約書の画面の右上にある「編集」ボタンを押すと、すぐにwordが起動します。

「パソコンにファイルをダウンロードする」という工程がないので、少し気分がいいです。そこから、契約書に加筆・修正を加えます。ここから先は、ひたすらwordの操作です。これまでどおりのツールを使えるのはスムーズでいいですね。

強いて違いを指摘すると、普段は、まずは[変更履歴の記録]ボタンを押してから修正作業を行うと思いますが、Hubbleではその必要はありません。思うがままに、ひたすら加筆・修正を行い、そのまま上書き保存をして。ファイルを閉じます。すると・・・

 

 

私が修正したとおりに、Hubble上に新しいバージョンの契約書が登場しました。元の雛形との差分表示もバッチシです。

そこから、コメント欄に事業部向けの説明・コメント等を書き、「@」マークを打って事業部担当者を選び、送信を押したら、審査終了です。事業部担当者宛にメールを作るためにメーラーを開いてといった工程がない分、少し快適です。

ちなみに、こちら、wordを閉じる度にHubble上に新しいバージョンが保存されて行く仕組みになっています(上の画像の左上にという表示が出ていますが、これは修正済のファイルが2つ目のバージョンであることを示しています)。また、特定のバージョン同士で修正箇所の統合を行うこともできますので、例えば、条文数が非常に多い契約書などを複数の法務担当者で「第1条から20条はAさん」、「第21条から先はBさん」と分担して審査し、最後に統合する…なんて使い方も出来ます。

 

4.契約書締結→管理

法務での契約書審査終了後、事業部担当者は、Hubbleから届いた通知メール(メッセージ)のURLリンクをクリックして契約書を開き、[ダウンロード]ボタンを押すことで、修正した契約書をword形式でダウンロードすることができます。それをクライアントに送付して、交渉を行うという流れです。

※今回、β版として対外交渉を行う機能が付いていましたので、そのうち、対外交渉までもHubble上でワンストップで行えるようになりそうです。

クライアントと契約内容に合意をしたら、いよいよ契約締結です。今回は行いませんでしたが、電子契約であれば、Hubbleの画面上から、クラウドサインやDocuSignに飛んで電子契約を締結できるようなので、電子契約が多い企業では、その点も重宝されそうですね。

契約締結が終了したら、契約書をPDF化し、Hubble上で[締結済のPDFをアップロードする]ボタンを押せば、双方の記名押印等が施された契約書ファイルが、審査過程で作られた複数のバージョンやコメントなどと共に保存されます。

「あの会社との契約書、どんな内容だったっけ?」といったシーンでは、このPDFファイルを見に行けばよいということですね。

 

 

加えて、関連資料なども契約書に紐づけてHubble上に保存することができますので、契約書内で「別紙」として指定した書面や発注書、料金表、仕様書なども一緒に格納しておくことで、情報の偏在を防げると思います。

 

5.【番外編】契約書雛形のバージョン管理

今回は契約書審査を目的にHubbleを利用しましたが、Hubbleは、「アップロードした契約書の編集をすると、旧バージョンに連なって自動で新しいバージョンのファイルが生まれる」という機能により、契約書雛形のバージョン管理にも威力を発揮します。

すなわち、雛形ファイルをアップロードしておき、改定の必要が生じる度に、Hubbleから編集を行えば、その都度、自動的にそのときの最新バージョンの雛形として保存され、そこに旧バージョンとなる雛形ファイルも紐づけられるということです。さらに、上述のHubble上のコメント欄に改定理由などをメモしておくことで、後から改定理由を確認することも容易になります。そのため、

「このバージョンの雛形と前のあのバージョンの雛形との違いってなんだっけ?」

「あのとき、どういう理由で雛形を改定したんだっけ?」

といった疑問が生じた際も、過去のメールを漁ったり、担当者へのヒアリング等を行う必要がなく、Hubble上で一瞬で解決することができます。他社の法務担当者の方のお話を伺うと、Excelで雛形のバージョン管理を行っているという方が多いですが、そうした管理の手間が省けるのも地味に嬉しいと思います。

 

Hubbleを使ってみての感想

1.ネガティブな点

このソフトウェアの開発にあたっては『普段のwordをそのまま使える』ことに強くこだわったそうですが、まさしく、普段どおりwordを使いつつその他の業務負担をどんどん軽減してくれるテックツールだと感じました。ただただ、便利ですし、使いやすいUI(ユーザーインターフェース)やその他の工夫により新しいツールを使う心理的な負担感も小さいため、利用していてネガティブな点は正直見当たらない印象です。

あとは、単純に、費用との相談になるのではないでしょうか。

 

2.より効果的に利用するために意識したい点

Hubbleを利用する場合、社内の契約情報をHubble上にどんどん集約して行くことになりますが、そのメリットを最大化するには、格納される大量の契約書ファイルの高い検索性を保つ必要があります。そのために、フォルダ作成ルール・ファイル名やバージョン名の命名ルールを定め、社内でしっかりと共有する必要があると感じました。

例えば、Hubble上で関連資料を直接検索することは、今回使用した限りでは出来なそうでしたので、仮に関連資料として料金表を紐づける場合には、契約書ファイルを【業務委託契約書(株式会社●●●_別紙料金表あり)】といったファイル名にして、後日、ファイル名検索で料金表を探せるようにしておくといった具合です。

Hubbleでは、今後、“ドキュメントリスト”という新機能が実装予定で、事前にファイルに項目設定することで、[契約相手方]、[契約終了日]、[自動更新の有無]等の項目ごとにソートしてファイルを探せるようになるようなので、ソート用の項目の丁寧な設定、ファイル等の命名ルールの浸透により、一層、検索性を高めて行けそうです。

 
また、契約審査時にHubble上のコメント欄に関連情報を残していける点もHubbleの売りだと思いますが、コメント欄の使用ルールを設けないと、コメント欄の幅が狭めなこともあり、コメントの山に重要なコメントが埋もれるおそれがあると感じました。どういう内容をコメント欄に残すかを社内で詰めておくとよいかもしれません。

 

終わりに

今回、実際にHubbleを使ってみて、最近、巷で流行っている「名もなき家事」の話を思い出しました。

「名もなき家事」とは、裏返しに脱がれた洗濯物をひっくり返す、シャンプー・洗剤などの補充や詰め替え、残り物にラップをかけて冷蔵庫にしまう、ポスト内の不要なチラシを捨てるといった、日常のあらゆるシーンで発生する細かな家事のことです。

掃除・洗濯・調理などのように、一つ一つに名前こそ付いていないものの、誰かがやらなければならない家事で、一つ一つの小さな負担が降り積もることで大きな負担となっている(しかも、やっても誰も褒めてくれない)として、最近になってスポットライトが当てられるようになりました。それと共に、「世の男性はもっと名もなき家事を積極的に引き受けるべきだ」という機運も高まっています。

契約法務というと、とかく、契約書の中身を検討しwordをいじって修正する“契約書審査”ばかりにスポットライトが当たりがちですが、Hubbleを使うと、その前後に名もなき家事ならぬ、「名もなき契約法務」が多数存在していることに改めて気づかされます。

それら「名もなき契約法務」をHubbleが自動化したり、アシストしたりしてくれるので、“契約書審査”そのものに集中することができ、想像以上に快適に仕事を進めることができました。操作説明時に、Hubbleの営業担当の方が「スルメ系(使えば使うほど便利さが染み渡る)ソフトウェア」とおっしゃっていた理由がわかる気がします。

もちろん、Hubbleに限らずテックツールそれ自体、いずれも“業務効率化”を謳うものなのですが、実際に利用してみると、その備えた機能・ボタン配置・導線などから、開発者が法務担当者に寄り添い、ユーザーエクスペリエンス(ユーザーにとっての使いやすさ・わかりやすさ、使用感の心地よさ)を非常に重視していることがわかります。

ユーザーの工夫次第でまだまだ面白い使い方が生まれそうですし、今後も新たな機能・連携が追加されて行くと思うので、これからのHubbleの進化を楽しみに見守って行きたいと思います。

 

<Hubbleについて詳しく知りたい方はコチラ

 

【筆者プロフィール】


株式会社More-Selections


専務取締役 齊藤 源久


大型WEBメディアを運営するIT企業にて法務責任者、事業統括マネージャーを担当した後、行政書士事務所を開設。ビジネス法務顧問として、数十社のベンチャー企業の契約法務や新規事業周りの法務相談を担う。2014年より、企業の法務部門に特化した総合コンサルティング(組織構築・採用・IT導入)会社、株式会社More-Selectionsの専務取締役に就任。法務教育コンテンツの開発・実施、法務職の人事評価ツールの開発、法務関連のWEBメディアの編集・企画、法務転職のエージェント業務、法務組織デザイニング理論の研究などを行っている。もっかの関心領域は、法務の「入門教育」と「デジタルトランスフォーメーション(DX)」。


 

シェアする

  • はてなブックマークに追加
  • LINEで送る
  • 資質タイプ×業務フィールドチェック
  • TKC
  • 法務人材の紹介 経験者・法科大学院修了生
  • 法務人材の派遣 登録者多数/高い法的素養

新着情報

公式メールマガジン

企業法務ナビでは、不定期に法務に関する有益な情報(最新の法律情報、研修、交流会(MSサロン)の開催)をお届けするメールマガジンを配信しています。

申込は、こちらのボタンから。

メルマガ会員登録

公式SNS

企業法務ナビでは各種SNSでも
法務ニュースの新着情報をお届けしております。

企業法務ナビの課題別ソリューション

企業法務人手不足を解消したい!

2007年創業以来、法務経験者・法科大学院修了生など
企業法務に特化した人材紹介・派遣を行っております。

業務を効率化したい!

企業法務業務を効率化したい!

契約法務、翻訳等、法務部門に関連する業務を
効率化するリーガルテック商材や、
アウトソーシングサービス等をご紹介しています。

企業法務の業務を効率化

公式メールマガジン

企業法務ナビでは、不定期に法務に関する有益な情報(最新の法律情報、研修、交流会(MSサロン)の開催)をお届けするメールマガジンを配信しています。

申込は、こちらのボタンから。

メルマガ会員登録

公式SNS

企業法務ナビでは各種SNSでも
法務ニュースの新着情報をお届けしております。

企業法務ナビに興味を持たれた法人様へ

企業法務ナビを活用して顧客開拓をされたい企業、弁護士の方はこちらからお問い合わせください。