「営業秘密」の定義、明確化へ
2014/10/01 コンプライアンス, 情報セキュリティ, 不正競争防止法, その他

事案の概要
経済産業省は9月30日有識者会合を開き、「営業秘密」の法的な定義を明確化し企業が「営業秘密」漏洩を訴えやすくする方針を固めた。
経産省は、従業員が秘密であると認識できる程度に客観的に管理がされていれば、営業秘密とみなす考えを提示しており、「営業秘密」の要件が緩和される可能性がある。また、情報漏えいを未然に防ぐため、厳罰化や被害者による告訴を必要としない非親告罪化なども併せて検討している。経産省としては、来年の通常国会に不正競争防止法の改正案を提出したい考えである。
現行の「営業秘密」と問題点
不正競争防止法の「営業秘密」と認められれば、その「営業秘密」が不正利用等された場合に差止請求や損害賠償請求などの法的措置を採ることができる。現行では「営業秘密」とは、①秘密として管理されていること(秘密管理性)、②有用な営業上又は技術上の情報であること(有用性)、③公然と知られていないこと(非公知性)の3要件を全て満たしている必要がある。
改正案で問題になっているのは、①の要件である。現在は、企業の情報管理の甘さが指摘されたために①の要件が認められない例が多いという。しかし、経産省が委託した三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、過去5年間で営業秘密の漏えい事件を経験していると応えた企業は13.5%もあり、そのような企業の泣き寝入りを防ぐのが今回の改正の目的だ。
だが、一方で企業による情報管理の重要性は変わらない。経産省は併せて、情報漏えい防止への企業の自主的な努力を求める考えでいるようであり、企業としては今回の改正案に期待するばかりでなく、情報管理方法の見直しを進めていってもらいたい。
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