【Yahoo!】検索関連ワードによるに潜む危険
2014/08/07 コンプライアンス, 危機管理, 民法・商法, その他

事案の概要
インターネット関連検索において自分の名前を検索すると過去の犯罪歴が表示され、不特定多数の人間に自分の過去を知られることにより自己の名誉を傷つけられたとして、京都市40代男性が「Yahoo!」に対し慰謝料約1100万円を求めたが京都地裁において「特殊な犯罪事実で社会的な関心が高く、逮捕から1年半程度しか経過していない現時点では、公共の利害に関する事実であり不法行為は成立しない」として請求棄却された。
「関連検索ワード」とは、検索の利用者が入力したキーワードと組み合わせて検索されるキーワードや、関連性の高いキーワードを機械的に収集し、検索回数の多いものを自動的に表示することで、再検索を補助する機能である(Yahoo!ヘルプより)。
関連検索ワードに関しては類似の事例として「Google」のWeb検索時に、入力したキーワードと関連した検索キーワードが表示される「Google サジェスト」機能に対し、「名前を入力すると犯罪行為を想起させるキーワードが表示される」として名誉毀損を訴えた訴訟がある。当該判決は東京地裁においてはサジェスト機能につき機械的な自動表示でも、放置すれば将来にわたって権利侵害が拡大するとして、表示差し止めを求めていた日本人男性の申請が東京地裁では表示停止と30万円の賠償を認めていたが、東京高裁は一転して「単語だけで男性の名誉が傷つけられたとは言えず、男性が被った不利益は、表示停止でサービス利用者が受ける不利益より大きくはない」として1審判決を取り消し、原告側の請求を棄却する判決を言い渡した。
コメント
インターネットの普及によって個人が多種多様な情報を容易に手に入れることができる現代においては、インターネット検索サイトは個人が情報を手に入れるための重要なツールであり不特定多数の目に入るものである。そのため「検索関連ワード」は大きな影響力を有している。今回の事件は個人名の検索の際のものであるが企業名を検索した際に、関連検索ワードに不名誉な単語が挙げられるおそれもある以上今回の事件は企業のイメージにかかわる問題でもある。そのため企業は自社のイメージ戦略においては「検索関連ワード」にも気を配り、場合によっては今回の事件と同様に表示差し止め等の対策を講じる必要がある。この点において今回の判決は重要な先例となる。
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