新たな節電対策となるか「協力金」支払い制度導入を検討
2014/08/07 法務相談一般, 民法・商法, その他

事案の概要
政府は、電力小売りが全面自由化となる2016年度までの導入を目指して、電力使用量のピーク時に節電に協力した企業に対し、電力会社が節電量に応じた「協力金」を支払う新制度の導入を検討している。企業の節電への意欲を引き出すことで、真夏など電力需要のピーク時に電力会社の供給を上回る需要が発生して大規模停電が起きるリスクを回避するのが狙いである。
コメント
原子力発電所の再稼働が進まない中で、冷暖房需要が増える夏と冬のピーク時の電力需要を抑える代替策の検討を進める必要がある。
現在すでに、大口契約先に電力需要を抑えてもらう「需給調整契約」という制度があるが、
今回経済産業省で検討されている制度案は、節約した電力について、同量を発電したとみなし、電力会社が買い取る制度で、欧米では「ネガワット取引」と呼ばれ、すでに導入されている。具体的には、協力企業が「アグリゲーター」と呼ばれる仲介会社を通じ、電力消費を抑えられる時間帯や電力量を事前に取り決める。実際に電力需給が厳しくなったときに、電力会社が節電への協力を要請し、仲介会社が協力会社の中から要請に適する会社を選んで、それに協力会社が対応すれば電力会社から協力金が支払われるものである。
この制度により、個々の会社での節電量は、さほど大きいといえない場合でも、仲介会社が利用者の電力利用状況をインターネットでチェックし、電力会社の要請に応じて利用者ごとに瞬時に節電量を割り振ることで、即座に需要抑制の対応が期待できる。また、企業側としても、それぞれの事情によって、いつでも、想定した節電が実施できるわけではないために節電対策を実施できずにいた企業も、例えば夏に空調の温度を1度上げたり、照明を少しだけ暗くしたりという節電を積み上げるなど、可能な範囲で節電に協力できることが可能となる。節電要請が来た場合に、企業によっては、節電対応を一括して行えるよう新たに設備投資や人員配置を要する場合も出てくるだろう。しかし、すでに一部企業では、節電対応がCSR活動の一環となっている。節電対策は社会全体での対応の必要性が大きく、注目度も高い事柄だけに、協力する価値あるものといえよう。今後、仲介会社が関わる新制度の導入により、さらなる節電効果の拡大を期待される。
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