理研の笹井氏の自殺 再生医療分野の発展に多大な損失
2014/08/06 法務相談一般, 民法・商法, その他
事案の概要
STAP問題の中心人物の一人理化学研究所(理研)の笹井芳樹氏(52)が5日自殺したことがわかった。笹井氏は再生医療分野の第一人者・世界的権威で、STAP細胞に関する論文発表にも関与していた。
STAP問題
STAP細胞の論文に関する一連の問題。
STAP細胞の正式名称は刺激性惹起性多能性獲得細胞(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency )。2014年1月30日号NatureにSTAP細胞に関する論文が掲載された。
その後データの不正使用や捏造などが指摘され、最終的には論文を撤回した。この問題は社会的に大きな反響を呼び、理研やSTAP細胞に対する社会的な不信を情勢してしまった。
理研第三者委員会の纏めた報告書によると笹井氏自体は研究不正に関与していないが、STAP論文筆頭著者である小保方氏の上司として責任重大と指摘されていた。
コメント
最先端技術の研究には多大な費用が掛かり補助金支出の必要性が高い。
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律6条1項によると、補助金の交付を決定する者が「補助事業等の目的及び内容が適正 」であると認めたときに交付が決定される。研究不正や捏造の指摘がされ、国民的理解が得られない状況だと補助金の交付は難しい。したがって捏造や研究不正の全容を解明し、国民の不信を払拭することが、補助金の交付やそれによる再生医療の発展に不可欠であると言える。
しかしSTAP問題の中心人物のひとり笹井氏が亡くなったことで全容解明が困難になり、国民的な理解を得ることも難しくなったと言える。残された関係者は、再生医療の発展を阻害しないように全容解明に協力し国民的理解を得る努力をすることが求められる。
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