違法サイトに有名企業の広告
2014/07/23 広告法務, 民法・商法, その他

事案の概要
ポルノ画像や違法薬物の取引情報を載せたインターネットの違法サイトに有名企業の広告費が流れ込んでいるという事実が警察庁の調べで分かった。
インターネット上の広告は、企業が広告会社に広告の依頼をし、広告会社が配信会社に広告データを送ることで掲載される。配信会社はサイト管理者と配信契約を結ぶ時、サイトの内容を審査している。しかし、審査後、配信会社が知らないうちにサイト内容を変更する管理者が多い。その結果、有名企業の広告料が違法サイトの管理者に流れ、大きな収入源になっているのである。
警察庁はこのような現状を打破するため、新たな取り組みを始めている。具体的には、違法・有害サイトに関する情報を集めている民間団体が違法サイト情報を業界団体を通じて配信会社に伝達し、違法サイトへの広告配信を止めてもらうようにしている。
コメント
警察庁が2010年から2011年にかけて摘発した18件の違法サイト管理者のうち、13件で管理者が広告収入を得ていた。複数のアダルトサイトの管理によって3年半で7億5千万円を稼いだ管理者もおり、事実上有名企業が違法サイトの管理を支えているといえる。
しかし、企業にとっては違法サイトに広告が載ることで企業のイメージダウンに繋がることも問題点として大きい。ポルノ画像の掲載は児童買春・児童ポルノ禁止法によって、違法薬物の取引は覚せい剤等取締法によって禁止されている。違法サイトに広告が掲載されることで、企業がこれら違法な取引を支持しているように見えるのである。
警察庁による民間団体の活用が功を奏するかまだ分からない。しかし、違法サイトは一度閉鎖されてもまた新たに別のサイトが立ちあげられることからその摘発は難しい。違法サイトを追いかけることに注力するのでは抜本的な問題解決は期待できないといえる。企業としては違法サイトに反対であることをホームページ等で明確に表示することなどで、イメージダウンを防止することが考えられる。
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