消費者保護へー民法改正「約款」明文化
2014/07/10 契約法務, 民法・商法, その他

原案の概要
法制審議会の民法部会は8日、東京都内で契約に関するルールなど債権関係規定の改正に向けた議論を行った。法務省は、企業や業者が契約時の条件として示す「約款」について、消費者の利益を一方的に害する内容は無効とする案を提示した。
約款とは、多数取引のためにあらかじめ設定された定型的な付随的条項または条項群をいうと説明される。約款は大量の契約を画一的・定型的に締結し、処理することが可能であるという利点があり、保険・銀行取引・通信など企業間取引のみならず日常生活における様々な取引において利用されている。
その一方で約款には、通常の契約であれば受け入れられない様な条項まで他の条項にまぎれて盛り込まれるという弊害があるとされる。そのため、一方的に不利益となる不公正な条項が押しつけられ消費者が被害を被る場合があり、これが「約款」規定の明文化につながったとされる。
もっとも消費者の利益を一方的に害する内容を無効とする案については、その範囲が曖昧であって経済界からは慎重な意見も多い。そのため、今月末を目標とする要綱原案決定に向けさらに協議を継続することとなった。
コメント
経済界は「約款」規定の明文化について慎重な姿勢を崩しておらず、協議の難航も予想される。しかし、現行民法には約款についての規定はなく、横断的・包括的な約款規制法も存在しない。無効な約款の範囲については、明確化を図るべくさらなる議論が必要であろうが、不当な約款から消費者を保護すべく、約款について規制する規定の明文化は図られるべきであろう。
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