知的財産権に関するあれこれ 2013年~2014年
2014/01/29 知財・ライセンス, 特許法, 著作権法, その他

企業活動の多くの場面で関係してくる知的財産権につき、直近の1年間を振り返った。技術革新により動きが激しい領域だけに、法改正や判例の動き等、今後も目がはなせない。
新技術
元CIA職員の情報漏洩事件が大きな話題になった2013年。企業においても情報管理の徹底が重要課題となっているため、商品化が注目される。
海外関係
海外進出を行う企業が増える中、新興国を中心に知的財産権に関する新しい動きが出ている。また、政府も海外諸国との間で、日本企業を支援する制度の充実に努めている。
*【関連】海外進出やASEANの知財事情についてのJETROのWebサイト
・特許審査ハイウェイ(PPH)制度の進展
特許審査ハイウェイ制度とは、先に出願した第1国(例えば、日本)の特許庁で特許要件を満たすと判断された出願について、後に出願した第2国(例えば、タイ)において、一般の出願に優先した早期審査が可能となる制度。既に30カ国と合意しており、2013年9月にはタイとの間で合意している。さらに、新たにグローバル特許審査制度に関する合意がされた。
話題となった判例
・サムスン vs アップル
サムスンが業界団体に「公正な条件でライセンス契約する用意がある」と宣言した特許の扱いが争点となった訴訟。2014年1月23日、控訴審の知財高裁は争点についての判断材料とするため、両社の代理人を通じて一般の意見を募ることを決めた。日本の裁判所では初のケースで、国内外の特許専門家や業界関係者の意見を想定しているとのこと。
・モバゲー釣りタウン(グリー vs DeNA)
DeNAがモバゲーで配信を始めた「釣りゲータウン2」に関し、グリーが同社が既に配信済みの「釣り★スタ」に似ていると主張して著作権侵害が争われた訴訟。第1審ではDeNAによる著作権侵害が認められたものの、二審・知的財産高裁ではグリーの逆転敗訴。最高裁が上告を棄却したことで二審判決が確定した。
・「白い恋人」と「面白い恋人」(石屋製菓 vs 吉本興業)
商標権侵害が争われた事件で、2013年2月、吉本興業側がパッケージの図柄を変更し、原則として関西6府県での販売に限ることや、賠償金は支払わないなどの内容で和解。
・あずきバー商標登録訴訟
「あずきバー」の商標登録訴訟において、井村屋グループが勝訴した。
法改正など
・特許法
職務発明(特許法35条)制度の見直しが検討されている。2013年6月に政府が決定した日本再興戦略において言及されて以降、有識者による議論がなされており、2014年中にも結論が出される可能性がある。
・著作権法
いわゆる写りこみの解禁や違法ダウンロードの罰則化などを含む改正法が2013年1月1日から施行された。特に写りこみが解禁されたことはその後のビジネスシーンに影響を及ぼしているものと考えられる。
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