派遣社員、受入期間制限を事実上廃止
2013/12/13 労務法務, 労働者派遣法, その他
事案の概要
厚生労働省は12日、企業が派遣労働者を受け入れる期間について、一定の場合には、事実上何年でも受け入れ続けることができるようにする案を提示した。
具体的には、これまで企業が派遣労働者を受け入れることができる期間を一つの業務で最長3年としてきた点に関して、派遣会社と無期契約を結んだ派遣労働者と60歳以上の派遣労働者については、3年の期間制限を撤廃することを内容とする。
また、上記以外の派遣会社と有期契約を結んでいる派遣労働者を受け入れている場合でも、受入企業は労働組合の意見を聞けば、人を替えて引き続き派遣労働者を受け入れることができるようにすることも内容とする。この場合、派遣会社には(1)派遣先に対して、当該派遣労働者を直接雇用するようを申し入れる(2)当該派遣労働者に対して新たな派遣先を提供する(3)当該派遣労働者を派遣会社で無期雇用に転換するなどの措置を義務付けることとしている。
コメント
これまで企業が派遣労働者を受け入れることができる期間は一つの業務で最長3年とされてきた(労働者派遣法40条の2第1項ないし3項)。
これについて、今回の見直しで派遣労働者も働きやすくなるという意見がある。
しかし、他方で企業が派遣労働を利用しやすくなることから、派遣労働が常用化され雇用の不安定化が生じる恐れがある。
雇用機会が増えることは、労働者にとってもプラスであるといえるが、労働者派遣が濫用され雇用が不安定化するようなことになれば、かえってマイナスであるといえる。
そのようなことを防ぐためには、労働者派遣の濫用を防ぐ仕組みを構築することも同時に行わなければならないと思われる。
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