また過労でうつ病自殺。大阪地裁、賠償認める。
2013/03/07 労務法務, 労働法全般, その他

事案の概要
旧農林漁業金融公庫(現日本政策金融公庫)に勤務していた男性(当時38)が自殺したのは、過重労働によるうつ病が原因として、妻(43)らが約1億8千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は6日、「うつ病となった原因は業務にある」と判断し、公庫に約8900万円の支払いを命じた。
判決理由では「公庫は男性が相当な残業をしても業務が遅れがちだったのを認識していたのに、健康状態が悪化しないよう適切な措置を取らなかった」と指摘された。
判決によると、男性は2005年4月、高松から長崎支店に転勤。転勤直前は残業時間が月100時間近くになり、疲労を解消しないまま長崎で業務を始めた。同年5月下旬までにうつ病を発症し、7月に自殺した。高松労働基準監督署は労災認定をしている。
コメント
『またか。』という判決である。近年、若年者のSE(システムエンジニア)に関して加重労働によるうつ病を原因とした自殺が認定され、労災認定に加え、損害賠償請求が認められる事案が多い。
そんな中で、旧農林漁業金融公庫(現日本政策金融公庫)という特殊法人(日本政策金融公庫については特殊会社)についても加重労働によるうつ病を原因とした自殺に対する損害賠償請求が認められるのは珍しいことではないだろう。
どの企業においても加重労働からくる社員の『うつ病』の発症、それを原因とする『社員の自殺』の危険性をはらんでいる。うつ病の発症にはそれなりの兆候が必ず存在するので、企業側はそれを早期に発見し、適切な精神の健康状態を維持できるように労務管理をしてほしいものである。
厚生労働省のメンタルヘルスについての指針はこちらのリンクへ。
こころの耳
平成19年労働者健康状況調査結果の概況
関連コンテンツ
新着情報

- まとめ
- 中国「データ越境移転促進・規範化規定」解説2024.4.23
- 中国の現行法令上, 香港・マカオ・台湾を除く中国本土内(「境内」)から境外への個人情報等の移転...

- セミナー
登島和弘 氏(新企業法務倶楽部 代表取締役…企業法務歴33年)
- 登島さんとぶっちゃけトーク!法務懇談会 ~第15回~
- 終了
- 2025/04/23
- 19:00~21:00
- 弁護士
- 目瀬 健太弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号

- 解説動画
江嵜 宗利弁護士
- 【無料】今更聞けない!? 改正電気通信事業法とウェブサービス
- 終了
- 視聴時間53分

- 業務効率化
- Mercator® by Citco公式資料ダウンロード
- 弁護士
- 原内 直哉弁護士
- インテンス法律事務所
- 〒162-0814
東京都新宿区新小川町4番7号アオヤギビル3階

- 解説動画
岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分

- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード

- ニュース
- 都内大手ホテル15社、価格カルテル(独禁法)のおそれで公取委が警告へ2025.4.21
- 都内の大手ホテルを運営する15社が客室単価などの情報を共有していた件で、公正取引委員会が独占禁...