中国の特許に関する和訳システム構築と中国特許翻訳に特化したクラウド翻訳サービスについて
2013/03/05 知財・ライセンス, 特許法, その他

事案の概要
政府は2013年度から、中国で出願され認められた特許を日本語に翻訳し、企業関係者などが自由に閲覧・検索できるデータベース作りに着手する。
13年度はまず約20億円の予算を投じ、今後数年かけて順次、データ蓄積を図る。中国では年間約53万件(11年)の特許が出願され、1~2週間に1度、インターネットなどで情報が更新されているが、このうち半数程度は中国国内で中国語のみで出願されている状況だ。そのため、日本の特許庁は、中国語による特許の要約を翻訳してデータを蓄積し、無料で情報検索できるシステムを構築する。
また、株式会社クロスランゲージ(本社:東京都千代田区 代表取締役社長 古賀勝夫)は、同社がクラウドで提供する自動翻訳サービス「WEB-Transer@クラウド」に、「中国特許文の翻訳に特化したエンジンを搭載した新サービス」の提供を開始した(同社3月1日付プレスリリース)。昨今急激に高まっている中国特許情報の調査、翻訳のニーズに対応する新サービスだという。
コメント
中国でライバル企業が特許を出願したとする。この場合、多くの日本企業にとって、現地の言葉で書かれた特許内容を正確に理解するのは困難を伴うことになろう。
そこで、ライバル企業がどのような特許を出願・保有しているかを迅速に把握した上で、日本企業が知的財産を巡る紛争に巻き込まれることを防ぐ必要がある。
今回の政府によるデータベース作り及び株式会社クロスランゲージによる中国特許翻訳に特化したクラウド翻訳サービスは、多くの日本企業にとって中国等でのライバル企業による特許出願・保有を迅速に把握するために有用なサービスといえそうだ。
関連サイト
中国の特許制度(河野特許事務所による解説)
中国は特許大国になり得る? 日本企業が採るべき対応は (1/2)- MONOist(モノイスト)
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